- 全国アホ・バカ分布考
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はるかなる言葉の旅路
新潮文庫 まー15ー1
- 価格
- 1,045円(本体950円+税)
- 発行年月
- 1996年12月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101441214
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:5)
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
アホとバカの境界線はどこにあるかを調べるという、テレビのおふざけ調査がとんでもない民俗学の研究になってしまったという良書。
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Tucker
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庶民の言葉
テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」に寄せられた一通の投書。
”大阪の人は「アホ」と言い、東京の人は「バカ」と言う。ならば、その境界は?”
バカバカしくて面白い、という事で、調査開始。
が、そこで予想外の出来事が起こる。
名古屋駅前で第3の言葉「タワケ」が出現したのだ。
また、番組出演者から九州では「バカ」を使うという証言も出る。
「アホ」「バカ」分布の調査はさらに大掛かりに。
その結果、見えてきたのは様々な種類の人を罵倒する(あるいは逆に親愛の情を示す)言葉の分布。
そして、その様々な言葉は、京都を中心とした波紋のように、何重もの同心円状に分布していた。
それは民俗学者の柳田國男が「蝸牛考」で提唱した「方言周圏論」そのものであったのだ。
カバーの裏に「全国アホ・バカ分布図」がついている。
この分布図を見て、「アホ」「バカ」表現の様々な種類に思いを馳せたり、自分が住んでいた地域では、どんな言葉が使われていたのかを探すだけでも面白い。
ところで、全国各地の「アホ」「バカ」に相当する方言に共通するものは、直接、人を罵倒する表現ではなく、何かに例えるケースが多い、というもの。
「婉曲的な表現」を好むのは日本人の国民性なのだろうか。
他の国の「アホ」「バカ」表現と比較すると、文化の違いが明確になったりして、面白いことだろう。
とにかく、こういう「庶民が普通に使う言葉」にこそ、お国柄が出てくるのだと思う。
だが、このような言葉ほど、今回の調査のような事がない限り、注目されることもなく、使われなくなるとひっそりと消滅してしまう。
建築家ミース・ファン・デル・ローエは
「神は細部に宿る」
と言ったそうだが、
「神は”どうでもいい事”に宿る」
とも言えそうだ。
あくまで「ときどき」ではあるが。
[BOOKデータベースより]
大阪はアホ。東京はバカ。境界線はどこ?人気TV番組に寄せられた小さな疑問が全ての発端だった。調査を経るうち、境界という問題を越え、全国のアホ・バカ表現の分布調査という壮大な試みへと発展。各市町村へのローラー作戦、古辞書類の渉猟、そして思索。ホンズナス、ホウケ、ダラ、ダボ…。それらの分布は一体何を意味するのか。知的興奮に満ちた傑作ノンフィクション。