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[BOOKデータベースより]
これは、おきなわにすんでいるさちこという女の子のはなしです。「おおきな木にはキジムナーがすんでいるんだよ」おばあさんは、さちこにはなしてくれます。「キジムナーは、よるになると木のなかからでてきて、しまのまわりをとびまわっているよ。さっちゃんのことも見まもってくれるさあ」。生命の尊厳と基地問題の本質を鋭く問います。
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以前に『おきなわ島のこえ』を読んだときに紹介された絵本です。
あちらは原爆の悲惨さを伝えることに使命感を持たれた丸木俊さんたちの作品でしたが、この絵本は田島征彦さんの激しい思いが絵と文章に炸裂しています。
どちらも正直言って読むのに勇気がいる作品ですが、子どもたちにはしっかりと伝わると思います。
戦争に巻き込まれた沖縄。
家族が疎開したのに、おばあさんとカリエスで自由のきかないさっちゃんは村に残ります。
その後の悲惨は、文にも絵にもおそろしいほど描かれています。
多くの死人の中で生き残ったのはさっちゃん。
さっちゃんを助けてくれたのは「キジムナー」。
戦争が終わったこととも知らず、二人は隠れ続けますが、弱りきったさっちゃんのために、キジムナーは鉄砲を持って昼間のアメリカ軍の基地にでかけます…。
終戦を知らずフィリピンに隠れ続けた日本兵のことを思い起こします。
この絵本は、戦後の沖縄についても語っています。
日本ら土地を切り離されて占領され続けたこと。
土地を奪われて米軍基地となったこと。
そして、戦争が終わったのに沖縄に残る戦争の危険性。
とても主張の強い本ですが、事実として受け止めなければいけない。
今日も基地の移転問題として、日本が問題を抱えているのですから、沖縄のこともわからなければいけない。
おばあさんになったさっちゃんが平和博物館をつくりました。
田島さんの平和に対する思いが最後までみごとです。(ヒラP21さん 50代・千葉県 男の子13歳)
【情報提供・絵本ナビ】