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[BOOKデータベースより]
人間が否応なく社会的存在であることは明らかである。それを忘れるのはアカデミズムに安居する研究者だけである。美も、人間にとっての美であるかぎり、そこに社会的性格が映し出されるはずである。だが残念なことに、これまでの日本の美学研究にはそのような意識が稀薄であることが多かった。したがって美学というものが社会的性格をおよそ削ぎ落としたかたちが展開されてきたのである。とはいえ、先にふれたように美学の研究対象となる思想家そのものが非社会的な美学思想を残したわけではない。その美学思想を研究する姿勢に社会的観点が抜け落ちていただけである。そのような社会的視点を念頭に置きつつ美学史を再度ふりかえり、社会的美学を哲学的に構想しはじめることが本書のテーマである。社会的視点を重視する以上は社会思想史にもかかわることになり、その意味では美学史と社会思想史ないし社会哲学史とを再検討する作業ともいえる。本書の目ざすところは、いわば美学と社会哲学(社会思想)との架橋である。
第1部 カント美学(カントの哲学と美学;カント哲学の基本性格;カント倫理学の骨格;カント美学の成立;「共通感覚」とセンスス・コムニス;カントの市民社会論;社会的判断力の構想;カントの社会的感性論)
第2部 美的感性論の系譜(コモン・センスの美学;唯物論美学;ギュイヨーの社会的美学;アドルノにおける美と自然;感性論と構想と課題)