[日販商品データベースより]
この絵本のしくみは、現実の世界のしくみとよく似ている、と安野さんがつぶやく、数学的な食育絵本。
むかし あるところに なまけものの 男が すんでいました。
そこへ仙人がでてきて、 ふしぎなたね を 2こ くれました。
「1こ 食べれば 一年かん おなかがすくことはない。
1こ うめておくと 秋にはかならずみのって 2こになる」とのこと。
男はしばらく言われたとおりにしていましたが、何年かたって
「ことしは、2こともまいてみよう」とかんがえました。
つぎの年に 2こ のたねは 4こ にふえ、
1こ を食べて 3こ をうめました。
さて、次の年の秋には、いくつのたねがとれるでしょう。
そして、その後の男の生活やいかに。
安野光雅さんの絵本が好きで、こちらでのレビューを参考に本を探していたところ、この絵本をみつけました。
タイトルの「ふしぎなたね」とは、仙人がある男にくれた2つのタネ。
1個食べると1年間おなかが空かない、1個地面に埋めると翌年の秋には新たなタネが2個実る、というものなんです。
もらった男は、数年間は律儀に1個食べて1個埋める、、、を繰り返していたのですが、あるときふと、2個とも埋めると翌年には4つに増えることに気づきます。
さぁ、ここからが数学の世界です(笑)。
4つに増えたタネ、1個食べて3個埋める→6個実る。
6個のうち1個食べて5個埋める→いくつになる?
これがどんどん繰り返されていきます。
そのうち家族が増えて食べる数が増えたり、知人にふるまったり、貯蔵したりして計算が複雑になっていきます。
ストーリーを追いながらついつい計算したくなります。
息子もまだよく掛け算がわからないながらも、指を折りながら一生懸命数えていました。
でもこの本は、算数だけじゃないんです。
ラスト近くで、主人公にはアクシデントが待っています。
それを乗り越えて、また始まる新たな暮らし。
この社会の縮図かな、なんて思わせられました。(あんれいさん 30代・静岡県 男の子5歳)
【情報提供・絵本ナビ】