- 芭蕉再発見
-
水と樹の旅に
NHKブックス 595
- 価格
- 833円(本体757円+税)
- 発行年月
- 1990年05月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784140015957
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[BOOKデータベースより]
旅に生きて、旅に死んだ風雅の人、芭蕉。旅を栖とした吟遊詩人は、琵琶湖と出会い、開眼した。ゆたかな山川草木と共に在った文化、生活は、「景情融合」の蕉風俳諧をどのように育んでいったのか。芭蕉の「野ざらし・笈の小文」の旅をめぐりつつ、その作品世界を追体験してきた庶民作家が、芭蕉に身を仮託して水と樹の原風景を語ろうとするユニークな芭蕉論は、もうひとつの自然論・環境論として結実する。
序に代えて―芭蕉、琵琶湖に眠る 旅に病で夢は枯野をかけ廻る
芭蕉、渥美半島をゆく 鷹一つ見つけてうれしいらご崎
大井川災難物語 さみだれの空吹きおとせ大井川
桜映え杉木立暮れる吉野山 このほどを花に礼いふわかれ哉
琵琶湖のヨシ原に風が吹く 四方より花吹きいれて鳰の海
田螺の漢き 鮎の涙 病雁の夜寒に落ちて旅寝かな
妄執のなかの芭蕉 大堰川浪に塵なし夏の月