- ミリー
-
天使にであった女の子のお話 グリム童話
ほるぷ出版
ヴィルヘルム・グリム モーリス・センダック ラルフ・マンハイム 神宮輝夫- 価格
- 1,980円(本体1,800円+税)
- 発行年月
- 1988年12月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784593502196
[BOOKデータベースより]
むかし、のどかな村のはずれに、小さな女の子と母親がひっそりとくらしていました。ある日、村におそろしいいくさがやってきたため、母親は森のおくふかく、女の子を逃がすことにしたのです。「3日たったら、もどっておいで…」女の子は森の中で不思議なことにであいます―。1816年、ヴィルヘルム・グリムが、ミリーという少女にあてた手紙のあとに、このお話が書かれていました。まさに150年ぶりに発見されたグリム童話に、すぐれた絵本作家、モーリス・センダックが5年がかりで絵をつけたのが、この本です。
























表紙の絵だけでもわかるように、センダックの描く絵の美しさは、秀逸です。どのページも、うっとりしてしまうほどの美しさです。絵の美しさに定評のある彼が、5年の歳月をかけたというだけあって、絵も文章も素晴らしいです。
幸せに暮らしていた母と娘でしたが、恐ろしい戦争が近づいてきて、母親は愛する娘を3日だけ、森の奥に隠れるように諭します。娘は、言われたとおり森へ行くと・・・。守護天使や、聖ヨセフに守られて、3日間はあっというまでした。しかし、3日たって家にたどり着くと、母親は、おばあさんになっていたのです。
なんたか、ちょっと日本の浦島太郎を髣髴させるところもありますが、しかしこちらは、母親に無事再会を果たします。
そして、次の日、神々しいようなラストで終わります。
正直、泣けました。
母親が、醜く、残酷で、恐ろしい戦争から、娘だけはなんとか守ろうとするその思い。自分は、それから何十年も、恐ろしく、孤独で、辛い思いをして生きたであろうに・・・。そして涙の再会。そして神懸ったラスト。
とても宗教的なお話しで、子供には、よくわからないかったかもしれませんが、母である私には、すごーくわかるような気がしました。もし、戦争が日本で起こったら、私も、自分だけは辛い思いをしても、子供たちには平和な場所で、人間の残酷で醜い部分は、見なくて住む場所で、食べ物に困ることなく暮らして欲しい。守護天使に、いつまでの子供たちを守って欲しいです。
やはり、難しいので大人向けの絵本でしょうか。
(はなしんさん 30代・千葉県 女の子6歳、男の子4歳)
【情報提供・絵本ナビ】