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[BOOKデータベースより]
「中世都市の女王」ともいうべきシエナは、中世においてはあるゆる意味で典型的な都市国家であった。しかも、いわゆる「シエナ派絵画」を頂点とする、すぐれた造形美術文化を発達させた。くわえて、16世紀以降衰微したために、それら中世の遺産がほとんど無傷のまま伝えられているからである。本書は、まず13世紀末から14世紀前半のシエナの都市国家体制とその市民たちの姿を生き生きと語り、つづいてシエナの市民たちがいかにして都市を整備し、大聖堂や市庁舎を建設したかを詳説する。そして最後に、ドゥッチョ、シモーネ・マルティーニ、アンブロジオ・ロレンツェッティというシエナの生んだ3人の偉大な画家とその作品を、社会との関連において考察する。
第1部 都市国家(モンタペルティの戦い;「ノーヴェ」体制;市民たち)
第2部 都市建設(城壁・道路・フォンテ;大聖堂;市庁舎とカンポ広場)
第3部 美術作品(マエスタ〈荘厳の聖母〉;正義を愛せ;ブオン・ゴヴェルノ〈善き政府〉)