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[BOOKデータベースより]
サド裁判の渦中にあった弱冠33歳の著者によるラジカルなエッセイ集。著書としては3作目にあたるこの書物が発表されたのは、安保闘争直後の騒然たる時期であった。往年の簡潔、明晰な軽みさえたたえた文体とは異なり、硬質でやや晦渋なスタイルで書かれた本書は、時代と対峙する精神の緊張感をはらみつつ、後半深まりをみせる数々の関心を論理的に展開し、強烈な衝激力にみちている。
ユートピアの恐怖と魅惑
狂帝ヘリオガパルスあるいはデカダンスの一考察
反社会性とは何か
ワイセツ妄想について
神聖受胎あるいはペシミストの精神
スリルの社会的効用についてあるいは偽強姦論
国語改革はエセ進歩主義である
前衛とスキャンダル
仮面について―現代ミステリー映画論
「好色」と「エロティシズム」―西鶴と西欧文学
知性の血痕―ブルトンとトロツキー
銅版画の天使・加納光於
燔祭の舞踊家・土方巽
「鉄の処女」―春日井建の歌
発禁よ、こんにちは―サドと私
第1回公判における意見陳述〔ほか〕