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[BOOKデータベースより]
昨年(1985年)10月30日、斎藤隆介氏は68歳で世を去った。いまは亡い斎藤氏への、かぎりない追悼の思いをこめて滝平二郎氏が描いたのがこの「ユとムとヒ」である。
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最初、題名をパッと見た時、韓国かどこかの国の話かと思いました。
出てくる固有名詞のほとんどが、一文字で表現されている、不思議な世界。
はるか昔の「ナ」の国を舞台にした、16歳の「ユ」と13歳の「ム」の友情の物語。
力強い文章と切り絵で読者をぐいぐい引っ張って行きます。
わが家の小学1年生の子どもも、あっという間に引き込まれていました。
真の勝者は、ユかムか。
その一方で、大事なことは勝ち負けを超えた所にあると教えてくれているようです。
「ヒ」を二人でかついで意気揚々と村へ帰る二人の表情がいいです。
ストーリーとは別に、最後の解説(小西正保氏)に釘付けになりました。
斎藤隆介さんと滝平二郎さんの友情の深さを知り、胸が締め付けられました。
主人公ユとムに斎藤氏と滝平氏が重なるのも、小西氏がお二人を深くご存知だから
こそでしょう。本編と同じくらい印象に残る解説でした。(あまたろうさん 40代・千葉県 女の子7歳、男の子7歳)
【情報提供・絵本ナビ】