- 挽歌 改版
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- 価格
- 825円(本体750円+税)
- 発行年月
- 1983年02月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101114019
[BOOKデータベースより]
北海道の霧の街に生いたち、ロマンにあこがれる兵藤怜子は、知り合った中年建築家桂木の落着きと、かすかな陰影に好奇心を抱く。美貌の桂木夫人と未知の青年との密会を、偶然目撃した彼女は、急速に夫妻の心の深みにふみこんでゆく。阿寒の温泉で二夜を過し、出張した彼を追って札幌に会いにゆく怜子、そして悲劇的な破局―若さのもつ脆さ、奔放さ、残酷さを見事に描いた傑作。
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
【その他】 北海道釧路が舞台の一冊。中学二年のとき、初めて読みました。街を流れる川や、坂道、空や海の色。見慣れた風景が、美しい文章になって物語を支えている。ただもうそれだけで、幣舞橋へ続く道や霧や海、いつも見ていた空が美しく思えました。街を歩けば、どこかに主人公の兵藤怜子がいるんじゃないかとそわそわ。近所に住む、あの大学生は桂木の妻を死に追いやった恋人じゃないか。少女の妄想は物語に絡め取られ、際限なく広がって現実を遠くに追いやります。自分もいつか釧路を舞台にした物語を書きたいと思ったのもそのころ。甘い夢だったな、と思ったのはついこのごろ。小説は読む者の前にある景色を変える、という体験の一歩でした。
霧に沈む北海道の街で知り合った中年の建築家桂木を忘れられない怜子。彼女の異常な情熱は桂木の家庭を壊し、悲劇的な結末が……。
北海道釧路が舞台の一冊。中学二年のとき、初めて読みました。街を流れる川や、坂道、空や海の色。見慣れた風景が、美しい文章になって物語を支えている。ただもうそれだけで、幣舞橋へ続く道や霧や海、いつも見ていた空が美しく思えました。街を歩けば、どこかに主人公の兵藤怜子がいるんじゃないかとそわそわ。近所に住む、あの大学生は桂木の妻を死に追いやった恋人じゃないか。少女の妄想は物語に絡め取られ、際限なく広がって現実を遠くに追いやります。自分もいつか釧路を舞台にした物語を書きたいと思ったのもそのころ。甘い夢だったな、と思ったのはついこのごろ。小説は読む者の前にある景色を変える、という体験の一歩でした。
桜木紫乃/作家
3 SPECIAL BOOKS掲載日:2013/03/14
【情報提供・3 SPECIAL BOOKS】