スタッフがおすすめする怖い本
本好きスタッフの紹介するこの夏に読んでほしい怖い本はこちら!
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『かなたの子』
著者:角田光代

子どもの頃の記憶が偶然蘇ってくる。こんな誰にもありそうな体験に戸惑い恐れを抱くうちに、やがて夢と現実の境目が曖昧になってゆく。日常の隙間に開いている闇に囚われた人々を描く、ちょっと怖い短篇集。〈受賞情報〉泉鏡花文学賞(第40回)

明確なホラー的存在は登場しないが、それぞれの物語は登場人物の静かな狂気や悪意によって日常から異世界へと変化していき、読者にじわじわと恐怖を与える。特に後半の4作がおすすめです。(スタッフK)
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『黒い家』
著者:貴志祐介

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。

あくまで目標達成のために冷静かつ冷酷に行動する様に、人間の狂気を感じます。背筋の凍る作品です。(スタッフM)
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『おしいれのぼうけん』
著者:古田足日 田畑精一

さくらほいくえんでは、先生の言うことを聞かない子はおしいれに入れられて、戸を閉められてしまいます。しばらくするとおしいれから出してもらい、「せんせい、ごめんね」と言うのでした。でもある日、昼寝の時間にミニカーを取りあって暴れて、先生におしいれに入れられた、さとしとあきらは違いました。おしいれの怖さに負けずに、ミニカーを握りしめて冒険に出かけます・・・。

「ねずみばあさん」のキャラクターが子ども心に怖くて、今でも印象に残っている絵本です。(スタッフW)
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『ヒトリシズカ』
著者:誉田哲也

本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは、第一章「闇一重」で幕を開ける。男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―。第二章 「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?―。

「静加」という女性の人生の、部分部分を切り取っている作品。特に、8歳の時の静加が登場する「罪時雨」はおすすめ。年端もいかない女の子が大人を巧みに操る様にはゾッとします。
(スタッフN)
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『ひたひたと』
著者:野沢尚

十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは―急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。

秘密を持つ5人の人間が、それぞれの秘密を告白していく物語。しかしその告白は、作者が急逝によって2人目で終わってしまう。「作者は執筆中に何を見たのだろう」と考えると、とても怖いです。(スタッフH)
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『Q&A』
著者:恩田陸

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。

大型ショッピングモールで原因不明の事故発生。死者60人超。
そこで起きたことはなんだったのか、なぜ起こったのか。
タイトル通りQ&Aが繰り返され、様々な角度から事故が語られる。
普段立ち寄る場所でこんな事故が起こる可能性はゼロじゃない。
日常に潜む可能性が怖くなる一冊。(スタッフM)
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