- 果しなき流れの果に
-
- 価格
- 880円(本体800円+税)
- 発行年月
- 1997年12月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784894563698
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 首都消失 下
-
価格:859円(本体781円+税)
【1998年05月発売】

ユーザーレビュー (3件、平均スコア:5)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
-
HonyaClub.comアンケート
-
「おすすめSF作品」レビューコメント
高校の頃からの小松左京ファンだがその中での最高傑作と言えば躊躇いなくこの本。最初に出版されたのは1966年。初めて読んだのは73年。以来何度も再読しているマイベストSF。 白亜紀の地層から永遠に砂が落ち続ける不思議な砂時計が発見される。この謎を発端に主人公は十億年もの時空を巡る壮大な戦いに巻き込まれる・・・今読み返してみると、当時作者が描いていた未来の世界像と現実の違い等はあるにせよ、決して古びていない作品である。主人公の台詞「もっともシリアスな知性をいつでも自分で茶化すことができる」・・・「半まじめ」の効用というくだり。日常生活に追われ、硬直化した価値観に支配されているかつてのSFファンに活を入れてくれる言葉でした。(もと/女性/50代)
-
HonyaClub.comアンケート
-
「おすすめSF作品」レビューコメント
日本が誇るSF小説金字塔。「2001年宇宙の旅」に勝るとも劣らぬ、想像力の限界的作品。この小説を読まずしてSFを語る事なかれ。(ジミ・フリップ/男性/50代)
-
HonyaClub.comアンケート
-
「無人島に持っていくならこの一冊」レビューコメント
一冊? 一冊だけなの?それなら、決まってる。コレだ。シリーズだったらほかにもあるけどね。一冊といったら、もうこれしかない。
たった一冊だけ・・・というと、どれだけ繰り返し読めるか、っていうのが一番大きなポイントだと思うのよ。
中生代の地層から発見された砂時計。確かに砂は落ち続けているのに、上の砂は減らない、下の砂は増えない。当惑する関係者に次々と起こる変事・・・。それを始まりに、舞台は宇宙へ、過去へ、未来へ、そして無数の平行世界へとめまぐるしく変わっていく。起こりえたかもしれない過去、起こりうる未来。ヒトを観察する上位の存在。・・・そして、広がり続ける世界が収束するとき。
果しなき流れの果には、何があるのか?1965年の作品なんだけど、古いとはまったく思えない。むしろ新しい。作者の小松左京氏が亡くなったと聞いたときにはどれだけ喪失感に襲われたことか。
この本に出合ってから十年以上経つけど、いまだに折に触れ読み返している。表紙なんかもうボロボロ、ページも取れそうだ。
この本に出会えてつくづく思うのだ。日本人に生まれて、この本を母国語で読めてよかったなあ、って。この本ほどではないけど、ときどき、日本人でよかったなあという本に出会うことがある。そんな本に今後も出会えることを祈って・・・。
ぼくをSF者に決定づけた一冊である。読んだのは、たぶん高校生のときだと思うが、読み終わったあとの、なにか世界がこれまでと断絶してしまったような鮮烈な印象は、いまもなまなましく記憶に刻まれている。物語は過去から未来、日本から宇宙へと、めまぐるしく時間と場所を変転するが、読後、ぼくに残されたのは、そうしたワイドスクリーン・バロックばりの華麗さではなかったように思う。そうではなしに、それでも人間のいとなみは変わらずに営々とつづけられていく、という何か諦念にも似た想いだったようだ。その想いはいまもひそやかな伴奏音としてぼくの人生をつらぬいて流れている。たぶん死ぬまで途切れずに。
山田正紀/作家
3 SPECIAL BOOKS掲載日:2013/6/27
【情報提供・3 SPECIAL BOOKS】