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[BOOKデータベースより]
昭和四十三(一九六八)年、ある百貨店の古書市に二百点を超える作家の自筆原稿が出品された。大江健三郎、安部公房、江戸川乱歩、川端康成、井上靖、遠藤周作…錚々たる作家たちの自筆原稿が一堂に会したのはなぜか。東京下町の古本屋店主が文藝春秋から流出した自筆原稿売買の三十五年にわたる顛末を明かす!
文藝春秋作家原稿流出始末記(はじまり;購入までと蘇生作業;山本周五郎と開高健 ほか)
[日販商品データベースより]古書流行史(古書市場五十年;戦後初版本;作家原稿 ほか)「鶴次郎・稲子・中野重治」考(『新浅草物語』の違和感;モテ男鶴次郎;窪川稲子の絵葉書 ほか)
昭和43年(1968年)。池袋西武百貨店の古書市に二百点を超える作家の自筆原稿が出品された。大江健三郎、安部公房、江戸川乱歩、川端康成、井上靖、遠藤周作などなど、錚々たる作家たちの自筆原稿が一堂に会したのはなぜか? その時、安部公房『砂の女』の原稿を落札した著者(古本屋青木書店店主)の元に数日後、文藝春秋の社員を名乗る男が原稿を買い戻させてほしいと訪ねてくる。膨大な自筆原稿類は文藝春秋が銀座から麹町に引っ越す際に処分したものだったのだ…。
30数年後、処分済みの原稿の残りの行方をたまた知った著者はすべてを買い取るが、それは原稿の一枚目が欠けている「首ナシ」原稿だった。その日から、著者は文藝春秋の雑誌を購入し、作品、著者を特定する日々を送る。はたして「首ナシ」原稿は特定できるのか。
下町の古本屋・青木書店の店主青木正美が文藝春秋から流出した自筆原稿の売買の顛末を綴る「文藝春秋作家原稿流出始末記」のほか、戦後の古本価格等の移り変わりを記録した「古書流行史」、窪川鶴次郎、佐多稲子、中野重治の三人の関係を考察する「『鶴次郎・稲子・中野重治』考」を収録。