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[BOOKデータベースより]
「比較文明」は、地球上の文明を総体的かつ関係的に考察しようとする超領域的研究分野で、21世紀へと向う今日いよいよ重要性を益しつつある。来るべき時代は、諸文明の「衝突」ではなく、諸文明の「共存」をこそ実現しなければならないが、そのためには地球上に存在する多様な文明の独特な価値をそれぞれ認め合い、その比較研究を通して相互理解の橋を架けてゆくことが、ますます必要となってきている。本巻では比較文明の「理論」と「方法」が、現代の状況においてどのようにあるべきかを再考察する。
1 思想―見直しの座標軸(ギリシアにおける哲学の優位と歴史の蔑視―ヘロドトスを見直す;イスラーム世界と差異性;ヨーロッパ「近代」への危機意識の深化―ドストエーフスキイの西欧文明観 ほか)
2 理論―批判的展開(トインビーのルネサンス論をめぐる再検討―中国のルネサンスと西欧の「古代・近代論争」;世界システム論と比較文明学―ヴォラーステインとブローデルをめぐって;比較文明学の理論的可能性―中国の視点から ほか)
3 方法―新しい知の形成のために(概念構成の枠組み―文明と文化の統合から;社会学から「比較・文明」学へ―学問的ブレークスルーに向けての一私見;比較文明学の学的基本性格―知の組み換えのために)