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[BOOKデータベースより]
顕在化・潜在化する水危機の解決に当たるのは人間の思索の結果である科学・技術であって、そのフィールドは広い意味での水文学“Hydrology”である。各分野の成果を糾合して水文・水資源研究を取り扱う共通の場づくりをおこない、きわめて多様な要素が関与する現象をシステム構造的に把握する新しい学問体系への指向が必要である。1988年3月、こうした問題認識のもと、地球物理学、気象学、地理学、土木工学、農業工学、林学、砂防工学、衛生工学、人文科学など、従来の各学問分野で発展してきた体系を縦糸とし、「水文・水資源学会」という横断的な研究組織が設立された。本書は同学会の総意を結集した本格的なハンドブックであり、学会内に水文・水資源ハンドブック編集出版委員会を設置し、方針や枠組み等、回を重ねて議論をし、内容を整え、今回刊行の運びとなったものである。グローバリゼーション、持続可能な開発・環境保全、合理的な調整・意思決定などのパラダイムシフトを視野に入れながら、地球規模から地域規模および超長期から短期的な時・空間スケールの枠組み、そこに介在する広汎・多岐・複雑化した現象をシステム的に体系化して記述する視軸、さらに「…である論」としての水文学と人間活動との接点で、「…であるべき論」としての水資源学をこの順序で構成した。
水文編(水文総論;気象システム;水文システム;水環境システム ほか)
水資源編(水資源総論;水資源計画・管理のシステム;水防災システム;利水システム ほか)