[BOOKデータベースより]
「華族の学校」として誕生した学習院。皇族や軍人の子弟も入学し、女子教育にも熱心だった。戦後は私立学校として再出発したが、「特別な学校」の印象は変わらない。政治家、軍人、作家など幾多の人材を輩出した、日本近代史を体現する学舎の足跡を辿る!
はじめに―東條英機と学習院(あいまいな記憶;英機少年の在校期間;なぜ学習院に入ったのか ほか)
第1章 華族の学校(京都の学習院;百人以上が受講;今日と学習院消滅 ほか)
第2章 特権と差別(非華族たち;官立化請願;徴兵への嫌悪 ほか)
第3章 華族女学校誕生と下田歌子(男子中心への懸念;入学した生徒たち;皇后の行啓 ほか)
第4章 非華族たちの反発(男子生徒の場合;元家来たち ほか)
第5章 院長としての乃木将軍(軍人院長たち;なぜ院長に;「生きた人間の様には思われん」 ほか)
第6章 軍と学習院(天皇の「御沙汰」;陸士予備生徒隊;谷干城の干渉 ほか)
第7章 激動期から敗戦へ(赤化華族事件;近衛文麿総理大臣;野村基地三郎と山梨勝之進 ほか)
第8章 新時代へ(安倍能成院長;皇室との関係;中退した皇太子 ほか)
日本近代の変化と歩みは、「学習院」という学校の変遷と密接に関わっている。
そもそも華族の学校として誕生した学習院だが、しだいに非華族の学生・生徒が増え、さらには軍人養成学校の色彩を帯びてくる。東條英機もその一人だ。
一方で、主立った皇族もここで学ぶが、皇太子時代の今上陛下が学習院を卒業していないのは、意外と知られていない。公務多忙のため単位不足だったからだが、卒業扱いにしようとする院内の風潮に真っ向から反対したのは、あの清水幾太郎だった。
吉田茂、三島由紀夫、近衛文麿、志賀直哉、朝吹登水子など、学習院に縁の深い、皇族・華族・軍人・文化人の逸話にも触れる歴史読物。
【目次】
はじめに 東條英機と学習院
第一章 華族の学校
第二章 特権と差別
第三章 華族女学校誕生と下田歌子
第四章 非華族たちの反発
第五章 院長としての乃木将軍
第六章 軍と学習院
第七章 激動期から敗戦へ
第八章 新時代へ
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