- 上弦の月を喰べる獅子 上
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- 価格
- 1,034円(本体940円+税)
- 発行年月
- 2011年03月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784150310264
[BOOKデータベースより]
あらゆるものを螺旋として捉え、それを集め求める螺旋蒐集家は、新宿のとあるビルに、現実には存在しない螺旋階段を幻視した。肺を病む岩手の詩人は、北上高地の斜面に、彼にしか見えない巨大なオウム貝の幻を見た。それぞれの螺旋にひきこまれたふたりは、混沌の中でおのれの修羅と対峙する…ベストセラー作家、夢枕獏が仏教の宇宙観をもとに進化と宇宙の謎を解き明かした空前絶後の物語。第10回日本SF大賞受賞作。
[日販商品データベースより]螺旋蒐集家と岩手の詩人の、究極の問を求める旅を描く、これは天についての物語である
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:4.5)
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ほんらぶキャンペーン
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「3 SPECIAL BOOKS」レビューコメント
「正しい答えは、正しい問いにすでにある」を知った。
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sige
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難解な目次
先に読んだ「天地明察」の著者:冲方丁が影響を受けた作家で、デビュー作執筆執筆時にその強い呪縛から逃れるために鋸で裁断したという曰つきの作品、ということで読んでみた。
先ず、そのタイトルが興味深い。
調べてみたら新潟県十日町にある廃校した小学校を利用した“ミティーラ美術館”(館長:長谷川時夫)にある作品のタイトルということである。
解説によるとこの作品を書くために最初にタイトルを決めたらしい。
そして遺伝子について書くための構成を決めて作品を作ったということだ。
複雑な目次のタイトルの意味が初めて分かった。
章を1〜10まで区切ったこと、各章を4つに区切ったことはともにDNAの耕造に合わせてある。
で、中表紙の次に“螺旋図”と再びタイトルがある。これには英語で“deoxyribonucleic acid”とルビが振ってあ。螺旋図=デオキシリボ核酸というのはいささか乱暴な結び付けだとは思うがこの作品の中核をなすものだ。その二重螺旋構造を物語りに当てはめるために“螺旋蒐集家”と“宮沢賢治”を合体させている。二重螺旋のひとつの螺旋が一つの人格であるかのようになっているのも少し乱暴。しかし、小説として面白い。
読み始めは、構成が先に有る作品なので、物語の耕造がなかなか見えてこない。因果の“因”として「三島草平(螺旋蒐集家)」“果”として「宮沢賢治」をつかい、二重に捩じ合わせていく。なかなか面白い構想の作品に仕上がっている。そして、宇宙、天、を作品の中心とするために宮沢賢治をモチーフにしたようだ。妹のとし子が亡くなった時押入れに顔を入れて泣き叫んだという話は事実らしい。また、宮沢賢治を没後に紹介した人物が“草野心平”で螺旋蒐集家の三島草平という名前はこれをもじったのかと思う。