[BOOKデータベースより]
「謎の文明」とされてきたマヤ、アンデス。少なくとも数千年以上狩猟採集が続いた奇跡の島、琉球。近年の湖沼堆積物(年縞)の解析で、これらの環太平洋の諸文明は、環境変動を乗り越えて営まれたことがわかってきた。グアテマラのセイバル遺跡の大規模発掘により、マヤ文明の起源は前1000年ごろにさかのぼり、干ばつにより滅びたわけではないことが判明した。ペルーではナスカの地上絵が新たに見つかり、製作者、作成方法に関する新事実が明らかになっている。大規模な気候変動を、潅漑技術と地上絵を用いた祭祀で乗り越えようとした可能性がある。旧石器時代に琉球列島への進出を果たした人類は長く自然と調和して狩猟採集を続け、約1000年前まで農耕を必要としなかった。歴史の表舞台から消された文明に学ぶ環境と人類の共生。
序章 環太平洋の諸文明と環境
第1章 環太平洋の環境史を調査する
第2章 マヤ文明の盛衰と環境利用
第3章 古代アンデス文明における環境変化とナスカ地上絵
第4章 琉球列島の環境と先史・原史文化
終章 環太平洋の環境文明史と「真の世界史」
「謎の文明」とされてきたマヤ・アンデスと、少なくとも数千年以上狩猟採集が続いた奇跡の島・琉球は、環境変化にどう対応し、何が原因で衰亡したのか。歴史の表舞台から消された文明に学ぶ環境と人類の共生。