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[BOOKデータベースより]
第1章 弘前藩領の「乞食」と「穢多」
[日販商品データベースより]第2章 18世紀の社会的危機と被差別集団―「乞食」集団と飢饉
第3章 対外関係の緊張と移動する被差別集団―「穢多」から「革師」へ
第4章 18世紀から19世紀へ―変化する社会意識と被差別集団
第5章 藩領を越える皮革の生産と流通
第6章 天保飢饉と「乞食」集団
第7章 箱館開港前後の地域社会と皮革需要
第8章 幕末期の「乞食」集団と社会変容
本書は、近世の弘前藩における被差別集団の支配形態をたどるなかで、西日本で言われるような、穢多・非人というカテゴリーでは把握できない、多様な、被差別集団の在り様を明らかにするものである。
弘前藩領での「穢多」とは、あくまでも皮革処理と加工の専門的技術の所持者であり、数人規模の極めて少人数しか存在していない。一般に穢多にあたる存在は「乞食」であり、その乞食が、藩内の被差別集団全体の頭として存在した。
なお、本書で取り上げる皮革は、基本的には馬を対象としている、これは、西日本との農業技術の差異から生まれたものである。それに加え、馬は、近世国家における重要な軍事物資であり、その生産は弘前藩をはじめとした北奥が担っていた。つまり、東北の馬優越は、たんなる稲作生産の技術的制約によってではなく、近世社会そのもののあり方によって規定されたものなのである。その意味においては、馬がいかに皮革として利用されたのか、どのようにそれにもとづく被差別民の生業と生産が成り立っていたのかを明らかにすることこそ近世社会固有の問題があり、その典型として東北、とくに北奥という地域の被差別の歴史があるといっても過言ではないであろう。