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[日販商品データベースより]
国家権力、社会、文化との関わりから見る禅宗の歴史
仏教は中国化する過程で南北朝時代には国家権力と結びついて華やかに発展したが、僧尼の腐敗ももたらした。そのころ中国仏教の一宗派として形成されつつあった禅宗は、僻地で細々と坐禅と農業労働に励んでいた。唐代初期に実施された均田制が劃期となって、僧団は経済的に自立し、禅宗は革新的性格を得て隆盛を極めたが、晩唐五代に地方の権力者の保護下に入るとしだいに革新性を失って新しい展開を生み出すこともできなくなり、宋代の強力な国家権力のもとで衰退へと向かった。本書は、禅宗の歴史を教義の展開としてではなく、社会的・経済的・政治的背景のもとに、禅宗の形成から発展、隆盛と衰退にいたる過程を描くものである。『禅宗十五講』(中華書局、2016年)の全訳。