[BOOKデータベースより]
語って考える消費者法。消費者がだまされることは仕方のないことである。そして、だまされた消費者の権利は救済され続けなければならない。消費者法を専門とする研究者・弁護士の3人で、消費者法の今と未来、問題点や解決方法について率直に語り合った。消費者被害を他人事とせずに、なぜだまされるのか、なぜ被害が生じるのか、を自分事として考えるためのヒントを提供する。
1 消費者法の今―私たちを取り巻く消費者被害(実務家・適格消費者団体から見た消費者被害の現状;消費社会とは何か?;消費者法の現状と課題)
2 消費者被害を考えるためのヒント(消費者問題を解決するための法律知識(1)―民法・消費者契約法;消費者問題を解決するための法律知識(2)―特定商取引法;消費者問題を解決するための法律知識(3)―決済;若者の夢につけ込む「オーディション商法」;利便性と危険性の間で「デジタルプラットフォーム」;将来の不安をあおる「投資詐欺」)
3 消費者法の未来―我々はどういう社会を望むのか(消費者問題の現状(ふたたび);消費者問題の未来)
消費者をターゲットとした問題商法の被害がなくならない。全国の消費生活センターに寄せられる消費者からの相談は、ほぼ90万件に達する。悪質な取引被害にあっても、その被害者のすべてが消費生活センターに相談するわけではなく、消費生活センターに相談する被害者は、その5%程度だという統計もある。つまり、わが国では年間で1800万件の消費者被害が生じていることになる。
社会の変化に対応して、消費者被害のあり様も変わってきており、誰もが当たり前にインターネットを取引の手段として、しかもスマホを使って利用する時代になった。勧誘の手段も、SNSをきっかけとするものが増加し続けている。たまたま、今まで被害に遭わなかったあなたはラッキーだったのかもしれない。
こうした事態に対応して、消費者をめぐる法律(以下、「消費者法」)も進化し続けてはいるものの、法による対応はどうしても後追いになってしまう。また、消費者法の言葉や表現方法は専門的で、日常の感覚ではその内容を理解することが決して容易だとは言えない。つまり、消費者はだまされても仕方のない、「弱くてもろい」存在である。
本書は、消費者が「弱くてもろい」存在であることを前提に、消費者法の重要な考え方をできるだけわかりやすく解説した。また、今、問題となっている消費者取引に関する被害を事例として取り上げ、それについて、消費者法を専門とする研究者、法律実務家(弁護士)の3人で、その問題点や解決方法について率直に語り合った。消費者被害を他人事とせずに、なぜだまされるのか、なぜ被害が生じるのか、を自分事として考えるためのヒントを提供する。
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