- バンドゥーラ
-
”ジャングルの誇り”とよばれたゾウ
児童図書館・絵本の部屋
- 価格
- 2,420円(本体2,200円+税)
- 発行年月
- 2022年10月
- 判型
- B4変
- ISBN
- 9784566080812
[BOOKデータベースより]
ミャンマーでは、むかしから、人とゾウが協力して作業をおこなう林業がいとなまれていました。イギリスで生まれたジェームズ・ハワードウィリアムズは、貿易会社の社員としてミャンマーにおもむき、そこではじめて、ゾウ使いやゾウたちといっしょに仕事をすることになりました。ウィリアムズはやがて、とびきり頭がよく、勇気のある、バンドゥーラというゾウと知り合い、かたい信頼のきずなで結ばれます。のちに「エレファント・ビル」とよばれるようになったウィリアムズとゾウのバンドゥーラがなしとげたおおいなる旅をえがく絵本です。
出会い
ゾウのキャンプ
ゾウに夢中
ゾウのミニ百科
アジアゾウの暮らしと歴史
骨の折れる仕事
ゾウ使い
ジャングルから港へ
野生ゾウの訓練
ジャングルの誇りバンドゥーラ
ゾウの学校
ゾウの病院
バンドゥーラに命を救われる
新たな危険
戦争再び
大脱出
はるかな旅
未開の地へ
緑の大海原
道なき道を
絶望の階段
ひと足ひと足
のぼりきる
もうひといき
ようやく到着
自由を夢見て
果てしない労働
別れ
英雄たおれる
バンドゥーラが遺したもの
ミャンマーでは昔から、ゾウと人とが協力して林業を営んできました。貿易会社の社員としてミャンマーに赴いたイギリス人のウィリアムズは、そこでゾウ使いやゾウと一緒に仕事をすることになり、やがて、とびきり頭がよくて勇敢なゾウ、バンドゥーラに出会います。ウィリアムズとバンドゥーラは、かたい信頼の絆で結ばれ、その後、戦火をのがれてジャングルを超える困難な旅を共に成し遂げることになります。作者のグリルは、最年少(25歳)でケイト・グリーナウェイ賞を受賞した画家。実際にミャンマーに取材して執筆にのぞんだ、力のこもった絵本です。今も不安な政情が続くミャンマーの人たちや動物たちへの思いがこもった作品です。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ひとつだけ守りたいもの
-
価格:1,980円(本体1,800円+税)
【2024年09月発売】
- どうぶつのことば
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2005年04月発売】
- 進化のはなし
-
価格:1,980円(本体1,800円+税)
【2006年02月発売】
- これがほんとの大きさ!
-
価格:1,980円(本体1,800円+税)
【2008年03月発売】
- タツノオトシゴ
-
価格:1,430円(本体1,300円+税)
【2006年07月発売】
森林が豊かで、昔からゾウと人が協力して林業を営んできた国、ミャンマー。本書は19世紀末から20世紀中頃にかけてミャンマーにいた1頭のアジアゾウのおはなし。とびきり頭がよく、勇気のある大きなオスのゾウ、バンドゥーラ(1897ー1944年)の物語です。もうひとりの主人公はジェームズ・ハワード・ウィリアムズ。イギリス生まれのウィリアムズは、植民地下のミャンマー(当時はビルマ)に貿易会社の社員として赴任します。経験豊富なゾウ使い・ポトケを通じてバンドゥーラに出会い、やがて信頼関係を築いていったウィリアムズ。ポトケを校長に「ゾウの学校」を作り、暴力的な訓練ではなく、子ゾウを育てながら愛情を持って訓練する方法を編み出します。ウィリアムズの尽力で使役ゾウの環境は改善しますが、第二次世界大戦の開戦で “ゾウ部隊”が編成されることに。日本軍の侵攻が迫る中、集団の先頭に立って、ジャングルや岩山を越える大脱出を成功させたバンドゥーラでしたが、悲しい運命が待っていました……。大判絵本の画面いっぱいに描かれるジャングルや夕陽が美しい絵本。ゾウの生態や使役ゾウの歴史も知ることができます。本書の作者ウィリアム・グリルは、2015年『シャクルトンの大漂流』(岩波書店)でケイト・グリーナウェイを史上最年少の25歳で受賞。本書は実際に2020年のミャンマーへの旅と調査を経て、執筆されました。この絵本は単なるバンドゥーラの英雄物語以上の、たくさんのテーマを含んでいます。作者のあとがきでは、使役ゾウの歴史を踏まえつつも、自然の生息地でゾウが自由に穏やかに暮らせることを願っていると書かれています。植民地支配や戦争が、国政や人々の生活に影を落としたまま、今も不安定な政情が続いているミャンマー。本書はゾウや野生動物のことに加え、森林環境、戦争、密猟など様々なテーマについて考えることができます。小学校3、4年生以上の子どもたちにぜひ手にとってほしい絵本です。
(絵本ナビライター 大和田佳世)
【情報提供・絵本ナビ】