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[BOOKデータベースより]
日露戦争、シベリア出兵、満洲事変、ノモンハン事件、ガダルカナル戦、アッツ島玉砕、そして占守島と樺太…「最強師団」はいかに戦い、そして負けたのか?
恐露病の由来
[日販商品データベースより]万やむをえざる政略
北に向けて葬れ
「川上の人々の集落」にできた軍都
第七師団に動員命令がだされなかった理由
戦争は、いまでは国民によっておこなわれる
奉天会戦と二つの戦後
シベリア出兵ではたした役割
尼港事件とその後
忠魂納骨塔ができるまで
最後の陸軍特別大演習
英霊と英雄
樺太への移駐と関特演、ついでに静謐
「解放」の論拠
北鎮の終焉
星条旗と旭日旗
「そこから旅順港は見えるか」
大東亜共栄圏から東南アジア進出にいたるまで日本の対外認識を大きく形作ってきたのは、「南進」論であるといわれる。
しかし、果たして、それは正しい理解なのだろうか? これが本書の問題関心である。
帝国が産声を上げたとき、まず目を向けたのは国内反乱である。陸軍は「鎮台」を設置。そして国内秩序が安定してくると、鎮台は「師団」になる。
その後、第七師団が札幌の月寒に創設された。この師団は鎮台からの繰り上げではない、全く新しい危機に対応したものであった。いうまでもなくロシア(ソ連)の脅威への対応である。
第七師団は北辺の守りを司る「北鎮」師団として北の民の心の拠り所だった。日露戦争では旅順攻略戦や奉天会戦に参戦、シベリア出兵(尼港事件に遭遇)やノモンハン事件でも戦い、太平洋戦争時にはアリューシャン列島やアッツ島に派遣、敗戦直前には占守島や樺太でソ連の侵攻を食い止める役割を担った。
ここには、戦後日本では封印された「北鎮」の思想がある。
「最強」師団はいかに戦い、そして負けたのか? 「北鎮」という忘れられた北への眼差しを恢復する試み。