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- マガイの子
-
- 価格
- 836円(本体760円+税)
- 発行年月
- 2018年11月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784041074398
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[BOOKデータベースより]
山に棲む獣『紛』が里の子を己の子とすり替える。現代では迷信扱いの民話を鞍臥の人は今でも心のどこかで信じている。なぜならあたしがその「マガイの子」だから―。東京で美大に通う風哩は、「お山」で従兄が惨殺された事件の記憶がない。セクハラ教授問題で訪れた変なカウンセラーと話すうち、夢に見る「マガイ」の事を喋ってしまう。高校生の弟・怜治がまだ住む地元では「お山」の磨崖仏を調査する謎の研究者が暗躍し始め…。
[日販商品データベースより]「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
――綾辻行人
僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは
「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。
いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
文庫版カバーイラスト=松浦だるま (『累 -かさね-』)
解説=朝宮運河