[BOOKデータベースより]
開かない扉、届かない手紙
1 喪服の似合うベロー(この“死”を掴め―『この日を掴め』のパルマコン、タムキン;老人をして死者を葬らせよ―『サムラー氏の惑星』における「盲者の記憶」;贈与の死、“死”の贈与―蘇る『フンボルトの贈り物』;「重ね書き」される身体―『学生部長の一二月』における喪のエクリチュール)
2 メタフィクショナルな「亡霊」の旅―バース、パワーズ、エリクソン(「神話」仕掛けのアダム―楽園の『旅路の果て』;“不死”の迷宮にて―「夜の海の旅」から『びっくりハウスの迷い子』へ;複製という名の「亡霊」―“死”の『舞踏会へ向かう三人の農夫』;ホブズタウンより愛をこめて―『囚人のジレンマ』における「爆心地」への旅;Zの悲劇―浮浪者の『黒い時計の旅』)
3 デリーロと「スペクタクルの日常」(広告の詩学/死学―差異と反復の『アメリカーナ』;“死”がメディアと交わるところ―ノイズから『ホワイト・ノイズ』へ;シミュラークルお暗殺―『リブラ』の「亡霊」、オズワルド;内破する未来へようこそ―九・一一・『マオ2』・「コーク2」)
4 逆光のアメリカン・サブライム(廃物のアウラと世紀末―封じ込められざる冷戦の『アンダーワールド』;蘇る標的―「撃つ/写す」の『アンダーワールド』;敗北の「鬼」を抱きしめて―『アンダーワールド』における名づけのアポリア)
5 “死”の時間、時間の“死”(喪の身体―『ボディ・アーティスト』における時と消滅の技法;「崇高」という病―「享楽」の『コズモポリス』横断;九・一一と「灰」のエクリチュール―『フォーリングマン』における“nots”の亡霊;時の砂漠―惑星思考の『ポイント・オメガ』)
シネマの旅路の果て―「もの食わぬ人」における「時間イメージ」
結論 楽園のこちら側―“死”が滞留するところ
自由と幸福を追求する「楽園」アメリカにおいて、小説家たちは<死>のアポリアにどのように向き合ってきたのか。現代アメリカ文学を代表するへミングウェイ、ベロー、バース、パワーズ、エリクソン、デリーロに焦点を絞り、デリダやドゥルーズを援用しつつ分析する。歴史、文化が文学と織りなす影響関係など、ポストモダン文学研究としての深まりも感じさせる。ノーベル文学賞候補と目されるドン・デリーロに関する本邦初の本格的な論考。
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