[BOOKデータベースより]
ノーベル生理学・医学賞受賞!大村智先生がおしえてくれた『挑戦すること』のすばらしさと『人との出会い』の大切さ。大村智先生からのメッセージを特別収録!
第1章 「自然が友達」の子ども時代(ウナギとりで知った自然の不思議;甲府盆地の山なみを見ながら育つ ほか)
第2章 人との出会いで道がひらける(マイスター制度ではじまった大学生活;自宅から大学まで走って通学 ほか)
第3章 「人の役に立つ仕事をしよう!」(朝6時に出勤する29歳の新人研究者;「この論文を書いたのは、あなたですか?」 ほか)
第4章 ついに発見!2億人を救う化学物質(「人と違うことをしよう!」―動物薬の開発;ポケットにはいつもスプーンとビニール袋 ほか)
努力の大切さ、助け合いながら生きていくことのすばらしさを教えてくれる、ノーベル賞を受賞した大村智氏のものがたり。「ついに発見!2億人を救う化学物質」など4章の他、大村氏からのメッセージを特別収録。
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価格:1,078円(本体980円+税)
【2016年07月発売】
ノーベル賞「生理学・医学賞」を受賞した大村智さんを知っていますか?受賞会見での「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」「微生物がやってくれた仕事を、整理したようなものですから」という控えめなコメントが、印象深かった方も多いのでは。山梨県の農家に育った大村さんが、どのように研究をつづけ、ノーベル賞受賞に至ったか、本書では小中学生向けにわかりやすく書かれています。意外だったのは、勉強一筋の子ども時代ではなく、家の手伝いをしてのびのびと過ごしたり、卓球やスキーなどスポーツに打ち込んだりした学生時代であったこと。大学に至っては、たまたま大学名を知ったことと、自宅から通えるというので地元の大学を受験したというのです。でもトレーニングのために大学までの15キロメートルの道のりを、なんと「走って通った」というのですからすごいです。人との出会いを大事にしてきた大村さんが、節目、節目で心に刻んできた教えの言葉……たとえば母の「教師たる資格は、自分自身が進歩していること」や、「社会に出てからの5年間が勝負。がんばれば学生時代よりもっといい勉強ができる」などの言葉は、読んでいる私たちにも、大村さんの当時の感動と「よし」という気持ちが伝わってきます。静岡県のゴルフ場のそばで偶然採取した土のなかにいた微生物が、大村さんの研究チームによって培養され、アメリカの研究チームと共同研究され、薬となって年間2億人を感染症から救うことになり、ノーベル賞受賞へとつながっていくのですが、本書はノーベル賞学者誕生の背景をわかりやすい言葉で綴ると同時に、人生はあらゆることが糧になるんだと再確認できる本でもあります。そして、ふだんから日本のなかだけで成長しようとしないこと、世界を相手にしようと決めたのが大きかったのだと実感します。学者としてエリート育ちではなかった大村さんの歩いてきた道は、これからの時代を生きる子どもたちへの大きなメッセージになるのではないでしょうか。個人的には、幼い頃から手伝ってきた農作業が研究に役立ったと大村さんが何度も述べているのですが、その基本となるお父さんの教え、そして蚕産業を率先して研究し効率化したお母さんの教えが素敵だと思いました。のちに妻となった文子さんもそろばんの名手、天真爛漫であざやかな存在感があります。大村さんが周囲の人に学ぶ気持ちを忘れずにいた姿勢が伝わってくるような気がします。小中学生の立場で読んでも、親の立場で読んでも、発見が多い本です。
(絵本ナビライター 大和田佳世)
私は医学にとても関心があります。だからこの本を読ませて頂いて、ひじょうに感動しました。これは大村智さんの人生が書かれていますが、何よりもチャレンジすることの素晴らしさを教えてくれます。北里大学の大村智さんは熱帯地方にすむ寄生虫が原因で起きる深刻な病気の治療法を見つけたという功績でノーベル医学生理学賞を受賞しました。メベルメクチンは1970年代半ばに土壌の中から発見した放線菌から生まれた薬で3億人を寄生虫感染症による失明の危機から救ったのです。この本のタイトルの苦しい道こそ楽しい人生という言葉に私は心から拍手喝采を送りたいと思います。私は大村智さんの生き方が大好きです。(水口栄一さん 60代・大阪府 )
【情報提供・絵本ナビ】