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- 犯罪の世間学
-
なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか
青弓社ライブラリー 86
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2015年12月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784787233943
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[BOOKデータベースより]
略奪や暴動をおこさず、おきたとしてもそれに厳しい目を向ける日本人―その感性を作り出す独特の秩序である「世間」。歴史学者・阿部謹也が提唱した世間論の骨子を、「空気を読む」「既読スルー」などを例に紹介し、「個人の消去」「贈与・互酬の関係」「高い同調圧力」といった「世間」の特徴を解説する。それをふまえて、排除と包摂という相反する性質をもつ「世間」で排他性がますます強まっていることを、1990年代末以降に台頭する犯罪の厳罰化を導きの糸として明らかにする。そして、排除志向を強めた「世間」が、人々の息苦しさを加速させて犯罪を生み出す仕組みを2000年代以降の犯罪・事件を例に読み解いていく。ニッポン礼賛があふれファシズムにも似た「空気」が覆う日本の現状に、「世間」という視点から鋭く迫る時代診断の書。
第1章 犯罪を抑止する「世間」(世間論素描;日本型権力としての「世間」;日本の犯罪率が低いのはなぜか)
[日販商品データベースより]第2章 犯罪/処罰を取り巻く「世間」(「処罰福祉主義」をめぐって;一九九〇年代末の排除=厳罰化はなぜおきたのか;「世間」の「復活」と「新しいファシズム」)
第3章 犯罪を生み出す「世間」(二〇〇八年:秋葉原無差別殺傷事件;二〇一二‐一三年:『黒子のバスケ』脅迫事件;二〇一四年:佐世保高一女子同級生殺害事件)
日本独特の秩序で法のルール以前に私たちを縛る「世間」が、その排他性を強めて犯罪を生み出している。1990年代以降の犯罪の厳罰化、2000年代以降の殺害事件や脅迫事件を「世間」の視点から読み解き、息苦しさや閉塞感が増す日本の「空気」に迫る時代診断の書。