[BOOKデータベースより]
いわゆる「真っ当」な生き方から逃げて楽になった。もっと自由に、伸び伸びと。京大卒・日本一有名な“ニート”が提唱するこれからの生き方。史上最強の脱力系幸福論。
第1章 働きたくない
第2章 家族を作らない
第3章 お金に縛られない
第4章 居場所の作り方
ゆるく生きるためのブックガイド
僕はいわゆる「真っ当」な生き方から逃げて楽になった…。もっと自由に、のびのびと。京大卒・日本一有名な“ニート”である著者が、これからの生き方を提唱する。史上最強の脱力系幸福論。
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arisa
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読んで感じたこと
大学生の頃に『ニートの歩き方』を読んでファンになり、この本を手に取った。既存の理論や筆者の体験談など興味深い文章がたくさんあって楽しかったし、勉強になった。巻末の参考文献の紹介も丁寧で良いと思う。
家族というものについて深く論じられているのが『ニートの歩き方』との違いの1つだと思うが、人間は子孫以外にも「ミーム」を残すことができるというのが非常に印象的だった。ミームとはリチャード・ドーキンスという生物学者が唱えた概念で、「文化についての遺伝子」といえるものだという。人間が話すことや書くこと、表現すること全てはミームとして、遺伝子と似たような様相を呈しながら拡散、突然変異する。自分が生まれて、生きているのは子孫を残すためなのだろうかと、虚無感とともに考えることもあるが、やはりそれだけではなく、実際に理論として組み立てた人までいるということに勇気づけられた。
そしてもう1つ感銘を受けたのは、筆者の「知識は人を自由にする」という言葉と、学ぶということへの姿勢そのものである。「京大を出たのにもったいない」といった意見に対して筆者は、「僕が大学受験や大学生活で得たものは本を読んだり学んだりすることの面白さや勉強の方法やコツで、今の僕の生活はその得たものを十分に活用できていると思う。何かを学んで身につけて活用する、そのやり方さえ忘れなければ、どこへ行ってもわりとなんとかやれるものだと思っている」と述べている。これは、「いい会社に入るため」などの理由を抜きにした、大学で学ぶということの意義の本質だと思う。
私自身も「いい大学を出たのにもったいない」、「親は反対しなかったの?」などたまに言われながら、多くないお給料で生活している。でもやってみたかった仕事ではあるし、ずっとこの仕事に絞っていく必要もない。生活と仕事の、自分に合った関係を日々考えながら生きていこうとこの本を読んで思った。
周りを見ても、ニュースを見ても、生きるのがつらそうな人が多いなと思う。薄給なのに仕事がキツくてつらい、職が見つからなくてつらい、収入が不安定で人生の先行きが見えなくてつらい、お金がなくて生活が苦しくてつらい、結婚したいけれど相手が見つからなくてつらい、親の介護で疲れ果ててつらい……。多くの人は「もっと働かなきゃ、もっと稼がなきゃ」と思って余計に過労やストレスに見舞われる。景気を良くするために国民みんなで死ぬほど働きましょう!みたいな社会は地獄だ!! では、僕たちは何を大事にしながら生きればいいのか。経済停滞が続くなかでもそこそこの幸福感を持って暮らす方法を、京大卒で日本一有名なニートとして知られてきた著者(昨年35歳になって、もはやニートと名乗ることもできなくなった)が提唱。