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[日販商品データベースより]
陶晶孫、景嘉、胡蘭成、邱永漢の「亡命者としてのパフォーマンス」
戦後、日本および東アジアは「民主化」を掲げる外部介入とその反動、脱植民地化に伴う国民国家の再編、冷戦による敵対の制度化がほぼ同時に進行したことで、大きな政治的転換期を迎えた。本書が取り上げるのは、1945年以降の秩序転換の中で、旧日本帝国の支配圏・占領地から日本列島へ移動し、帰還の見通しを失ったまま長期滞在を余儀なくされた中国系亡命知識人である。中でも、戦後の日本、中国大陸、台湾、および香港の文壇と出版界に少なからぬ影響を及ぼした四人の文学者、陶晶孫(1897-1952)、景嘉(1914-1986)、胡蘭成(1906-1981)、邱永漢(1924-2012)を対象とする。
彼らは単に保護される「政治的難民」であっただけではなく、戦後日本社会が心の底で求めながら、自らは演じることができなくなった「理想の知識人」像(かつてのアジア主義的連帯の主体)を、その身体と言葉をもって「反復」する鏡像的な存在でもあった。本書では、漢文脈や近代の言語イデオロギーとの錯綜といった東アジア固有の歴史的背景において戦後日本から期待された役割を演じ、新たな文化的景観とアイデンティティを構築・表現した彼らの「亡命者としてのパフォーマンス」に注目。陶晶孫、景嘉、胡蘭成、邱永漢という四人の中国系亡命知識人が戦後日本という受容空間においてどのように位置づけられたのか、そして彼らが日本側の期待やイメージをいかに受け止め、利用し、ときに裏切りながら、自らの文学的・思想的表現を展開していったのか、その軌跡を追う。