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[日販商品データベースより]
江戸時代の人形町を舞台に、人形の声が聞こえる少女・おりせの成長を描いた連作短編集です。
江戸の人形町という舞台と、人形に宿る霊との交流というファンタジー要素が融合した本作は、オール讀物新人賞受賞作家・由原かのんさんの3冊目の著作です。
魂が宿った人形たちの声が聞こえる不思議な力があるおりせ。人形師の父・貝助と弟、継母のおすまと暮らしています。おりせの生母は、おりせを産んだ少し後に世を去っています。
おりせは小さいころから人形の声を聞くことができましたが、周囲からは理解されず、時に孤独を感じることもあります。
人形に宿る思いに寄り添いながら、恋や友情、家族の絆を深めていくおりせの姿が、繊細かつ生き生きと描かれています。
そして年頃のおりせは、嫁ぐのか、婿を取るのか、あるいは人形を作る職人を目指すのか、決断を迫られます。恋愛は苦手と感じているおりせですが、どんな将来を選ぶのでしょうか。
第一話「夜々の空蝉」。六歳の頃に母を亡くしたおりせは、継母となるおすまと出会います。おすまの前の夫との間に生まれた娘・おちよは幼くして亡くなりましたが、その魂が抱き人形に宿っていました。
第二話「よしやわざくれ」。十代後半のおりせが、牛若丸の人形に取り憑いた熊坂長範を名乗る男の霊と出会います。
第三話「とたんかたん」。神田の祭りの賑わいを背景に、おとめという女性と提灯屋の鶴吉の物語が展開されます。おりせの成長とともに、彼女を取り巻く人々の関係性も変化し、徒弟の斎助との間にほのかな恋愛感情が芽生えていきます。
最終話「心の駒」。 おりせが人形師として独立する夢を抱き始めます。
繊細な筆致で描かれる人間模様と、時代小説ならではの風情が楽しめる『おりせ人形帖』。歴史小説ファンはもちろん、ファンタジーや成長譚を好む方にもお読みいただきたい一冊です。