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[BOOKデータベースより]
一九四五年の日本の敗戦後、中国国民党が台湾の統治を開始すると、日本統治時代から台湾で暮らしてきた人々(本省人)と、戦勝者意識を懐いて戦後に中国大陸から渡ってきた国民党の官僚や軍人ら(外省人)との間に、深刻な対立「省籍矛盾」が生じた。この対立は国民党による市民への大規模な武力弾圧事件(二・二八事件)へと発展し、その後、長きにわたる「沈黙」の時代、すなわち戒厳令下へと至ることになった。この戒厳令下(一九四九〜一九八七)において、日本統治を経験した本省籍知識人は、いかにして日本との関係を保ちながら、自己のアイデンティティを構築したのか。また、日本文学の翻訳書はどのように台湾社会に浸透し、翻訳書が描く日本人及び日本社会はどのように受けとめられたのか。日本語を使用して創作をした世代、日本語の教養をベースにしつつ中国語で創作活動をした世代、中国語を自由に操って創作した世代という三世代の作家の具体例を挙げながら、彼らのアイデンティティを探る。さらに「翻訳文学」を通じた台湾と日本の精神的な交流や、言語教育の実態、戦後台湾における本省人と外省人の対立の根源にあった「省籍矛盾」の根源を明らかにする。
序論 台湾省編訳館館長・許寿裳の日本批判と「省籍矛盾」の一端
[日販商品データベースより]1 戒厳令下における日本人の台湾留学、台湾人の日本留学(戒厳令下を生き抜く台湾作家群像;苦悩する日本滞在の記;台湾詩人陳明台の愛と葛藤 日台歴史の深淵)
2 日本統治期を生きた台湾知識人のアイデンティティ(『台湾文芸』と台湾文学史観の形成;戦後日本における呉濁流文学の出版と普及に見る文化政治 「無花果」を例として;巫永福のアイデンティティの変化 文化的・政治的アイデンティティの「板返」運動)
3 戒厳令下における翻訳日本文学と台湾旅行および教育を巡って(戦後台湾・戒厳令期(一九四九〜一九八七)における日本文学の翻訳状況と傾向;松本清張と台湾推理小説;政治大衆化と〈学校の怪談〉映画『返校 言葉が消えた日』が語る日台間の接触領域)
付録
1945年の日本の敗戦後、中国国民党が台湾の統治を開始すると、日本統治時代から台湾で暮らしてきた人々(本省人)と、戦勝者意識を懐いて戦後に中国大陸から渡ってきた国民党の官僚や軍人ら(外省人)との間に、深刻な対立「省籍矛盾」が生じた。この対立は国民党による市民への大規模な武力弾圧事(二・二八事件)へと発展し、その後、長きにわたる「沈黙」の時代、すなわち戒厳令下へと至ることになった。
この戒厳令下(1949〜1987)において、日本統治を経験した本省籍知識人は、いかにして日本との関係を保ちながら、自己のアイデンティティを構築したのか。また、日本文学の翻訳書はどのように台湾社会に浸透し、翻訳書が描く日本人及び日本社会はどのように受けとめられたのか。
日本語を使用して創作をした世代、日本語の教養をベースにしつつ中国語で創作活動をした世代、中国語を自由に操って創作した世代という三世代の作家の具体例を挙げながら、彼らのアイデンティティを探る。さらに「翻訳文学」を通じた台湾と日本の精神的な交流や、言語教育の実態、戦後台湾における本省人と外省人の対立の根源にあった「省籍矛盾」の根源を明らかにする。