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教育評論社 小松原由理 西岡あかね
点
盛り場の喧騒が語る20世紀!ドイツ史の夜を彩った店や興行を楽しく紹介しながら、カバレットが文化史の中で果たした役割や意義に迫る。ヨーロッパから日本へ―世界のキャバレー文化をめぐる八つの論考も収載。
1 ドイツ・カバレット巡り(ユーバーブレットル;11人の死刑執行人;テロプラズマ;ペーター・ヒレ軒;ジンプリチシムス(前編) ほか)2 世界のキャバレー文化(19世紀末フランスにおける文学・芸術キャバレーの革新―「シャ・ノワール」の偉業をめぐって;居酒屋は巣窟に―パリのキャバレー、そしてミュージックホール;ウィーン工房の「フレーダーマウス」;オーストリアにおけるカバレットとミュージカルの深い関係;ロシア・アヴァンギャルドとキャバレー ほか)
カバレット(フランス語Cabaretキャバレーのドイツ語版Kabarettは、時にカバレーと発音されることもある)とは、ドイツ語圏社会では広く定着しているカルチャースタイルである。フランスにおけるキャバレーはそもそも「小さな部屋」を意味し、アットホームな空間で舞台芸術や詩の朗読を楽しむ「お店」のことを指していた。特に19世紀のパリでは、芸術家たちや作家たちが、そこに集い、華やかな社交の場を作り出していた。一方、キャバレーが輸入され、パリに遅れて受容された「ドイツ・カバレット」は、酒や食事と共に、社会風刺的な内容を伴うトークやコント、歌やお芝居などを楽しむ、いわゆる「演芸文化」として発展した。そんな違いもあって、ときに「寄席」と訳されることもあるが、そこで扱われる話題は時事ネタ的な内容が多く、とはいえ政治や社会風刺一辺倒なわけでもない。そのような、何に責任を持つでもない自由な「盛り場」としてのカバレットを、大人たちが繰り広げた社会との「遊び場」としていま改めて眺めるとき、そこには何が読み解けるだろうか。つまり、人々は一体どんな店に集い、何に笑い、何に心を動かされたのかを問うこと。演劇史からも文学史からも見えては来ない、人々の「気楽な場所」の文化史を記録すること。それが本書の基本コンセプトである。(中略)本書は2部構成をとっている。「ドイツ・カバレット巡り」と題した第I部は、「ユーバーブレットル」というドイツにおけるカバレット第一号店に始まり、時代の流れを踏まえながら、それぞれ個性のあるカバレット店を、ガイドブック風に紹介している。それぞれの店に対して、「タレント」「雰囲気」「話題性」「親密性」「芸術性」の5項目について、編者2名による星評価もつけた。店の個性を想像するための参考にしてもらえたらと思う。さらに、各お店巡りの合間には、5つの刺激的なコラムが差しこまれている。ここで一息ついてもらいながら、「ドイツ・カバレット」を様々な論点から語るための視点を、存分に楽しんでもらいたい。あるいは、次の店へとはしごしてもらうためのちょっとした「箸休め」とするのもお勧めだ。続いて第II部は、さらに大きく視野を広げて、世界のキャバレー文化を体験してもらうべく、元祖「シャ・ノワール」擁するフランスをはじめ、オーストリア、ロシア、イタリア、さらには日本のキャバレーへ、まさにキャバレー文化をめぐるワールドトラベルさながらのラインナップを用意している。各国各地域の文化事情に精通する専門家たちが手掛ける珠玉の世界キャバレー文化紹介を通して、キャバレーの伝播と進化・変容を改めて考察するための、唯一無二の体験ができるはずである。また、この第II部での「世界のキャバレー文化」を通して初めて、第I部で展開した「ドイツ・カバレット」の地域性や魅力もより説得力を持って浮かび上がってくるはずである。(「はじめに」より抜粋)
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
一覧を見る
[BOOKデータベースより]
盛り場の喧騒が語る20世紀!ドイツ史の夜を彩った店や興行を楽しく紹介しながら、カバレットが文化史の中で果たした役割や意義に迫る。ヨーロッパから日本へ―世界のキャバレー文化をめぐる八つの論考も収載。
1 ドイツ・カバレット巡り(ユーバーブレットル;11人の死刑執行人;テロプラズマ;ペーター・ヒレ軒;ジンプリチシムス(前編) ほか)
[日販商品データベースより]2 世界のキャバレー文化(19世紀末フランスにおける文学・芸術キャバレーの革新―「シャ・ノワール」の偉業をめぐって;居酒屋は巣窟に―パリのキャバレー、そしてミュージックホール;ウィーン工房の「フレーダーマウス」;オーストリアにおけるカバレットとミュージカルの深い関係;ロシア・アヴァンギャルドとキャバレー ほか)
カバレット(フランス語Cabaretキャバレーのドイツ語版Kabarettは、時にカバレーと発音されることもある)とは、ドイツ語圏社会では広く定着しているカルチャースタイルである。フランスにおけるキャバレーはそもそも「小さな部屋」を意味し、アットホームな空間で舞台芸術や詩の朗読を楽しむ「お店」のことを指していた。特に19世紀のパリでは、芸術家たちや作家たちが、そこに集い、華やかな社交の場を作り出していた。一方、キャバレーが輸入され、パリに遅れて受容された「ドイツ・カバレット」は、酒や食事と共に、社会風刺的な内容を伴うトークやコント、歌やお芝居などを楽しむ、いわゆる「演芸文化」として発展した。そんな違いもあって、ときに「寄席」と訳されることもあるが、そこで扱われる話題は時事ネタ的な内容が多く、とはいえ政治や社会風刺一辺倒なわけでもない。そのような、何に責任を持つでもない自由な「盛り場」としてのカバレットを、大人たちが繰り広げた社会との「遊び場」としていま改めて眺めるとき、そこには何が読み解けるだろうか。つまり、人々は一体どんな店に集い、何に笑い、何に心を動かされたのかを問うこと。演劇史からも文学史からも見えては来ない、人々の「気楽な場所」の文化史を記録すること。それが本書の基本コンセプトである。
(中略)
本書は2部構成をとっている。「ドイツ・カバレット巡り」と題した第I部は、「ユーバーブレットル」というドイツにおけるカバレット第一号店に始まり、時代の流れを踏まえながら、それぞれ個性のあるカバレット店を、ガイドブック風に紹介している。それぞれの店に対して、「タレント」「雰囲気」「話題性」「親密性」「芸術性」の5項目について、編者2名による星評価もつけた。店の個性を想像するための参考にしてもらえたらと思う。さらに、各お店巡りの合間には、5つの刺激的なコラムが差しこまれている。ここで一息ついてもらいながら、「ドイツ・カバレット」を様々な論点から語るための視点を、存分に楽しんでもらいたい。あるいは、次の店へとはしごしてもらうためのちょっとした「箸休め」とするのもお勧めだ。
続いて第II部は、さらに大きく視野を広げて、世界のキャバレー文化を体験してもらうべく、元祖「シャ・ノワール」擁するフランスをはじめ、オーストリア、ロシア、イタリア、さらには日本のキャバレーへ、まさにキャバレー文化をめぐるワールドトラベルさながらのラインナップを用意している。各国各地域の文化事情に精通する専門家たちが手掛ける珠玉の世界キャバレー文化紹介を通して、キャバレーの伝播と進化・変容を改めて考察するための、唯一無二の体験ができるはずである。また、この第II部での「世界のキャバレー文化」を通して初めて、第I部で展開した「ドイツ・カバレット」の地域性や魅力もより説得力を持って浮かび上がってくるはずである。
(「はじめに」より抜粋)