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[BOOKデータベースより]
第一章 『封〓演義』版本〓論―テキスト七類の繼承關係―
[日販商品データベースより]第二章 『封〓演義』第九十九回の問題―鉛印本における改變―
第三章 『封〓演義』の簡本について―十卷本と八卷本―
第四章 『封〓演義』『堅瓠集』の〓籟閣藏板本と〓人穫
第五章 『封〓演義』出版史―蘇州を中心に―
第六章 『封〓演義』の上圖下文本について―織田本とその推定上の〓本―
第七章 『封〓演義』の改作について―古本から今本へ―
終章 今本『封〓演義』の成立
附〓 『封〓演義』版本目〓稿(第二版)
【前言より】
明清小説研究の第一歩は版本研究である。むろん版本研究は明清小説に限らず、あらゆる文学の基礎だが、明清小説の場合、他のジャンルよりも版本研究の比重が大きくなる。明清小説の多くは通俗的な商業出版によって世に出るため、一度刊本が出たあとも文章や内容がすぐには固定せず、書き換えが繰り返されるからである。
逆に言えば伝統的な詩文では稿本が残っていないかぎり窺い知ることができない定本形成の過程を、明清小説は版本を比較することで知ることができる。明清小説において版本研究を行う意義の一端はここにある。
『封神演義』の版本については大塚秀高氏の『増補中国通俗小説書目』(汲古書院、一九八七年)がすでに主要な種を網羅する上、その分類は現在でも価値を失っていない。また版本間の継承関係については岩崎氏が初期の版本に関して重大な発見をしている(第一章第四節で見る)。本書は両氏の業績に依拠しつつ、岩崎氏も未着手の『封神演義』の版本全体の継承関係を明らかにすることに努めた。
明清小説は版本間の関係の複雑さが他のジャンルの比ではないため、版本研究をどれだけ深めても一向に底が見えない難しさがあるが、『封神演義』の場合、『三国志演義』や『水滸伝』ほどには版本が多様ではなく、結局のところ、一系統しか存在しないとも言える(それを明らかにしたこと自体、一定の意義を有するものと思う)。それでも本書の大半は版本研究に費やさざるを得なかった。『封神演義』の文学的評価については終章でわずかに端緒に就いたのみである。