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[BOOKデータベースより]
江戸時代の神奈川県域は、百万都市・江戸の巨大な消費を支える流通・産業・観光の拠点だった。東海道の宿駅制度の整備、脇往還の充実、相撲川を中心とした水運や神奈川湊、浦賀湊の海運などで、水陸のあらゆるものが現在の神奈川を経て江戸にやってきたのである。さらに鎌倉、江の島など、海や山に風光明媚な名所が多いことから、江戸庶民の格好の旅行先になる。本書は、江戸っ子の暮らしも楽しみも支えた江戸期の神奈川の隆盛を、つまびらかに解説する。
1 家康の江戸入城と周辺地域の再編
[日販商品データベースより]2 江戸との流通を支えた神奈川の水陸交通網
3 江戸の生活を支えた神奈川の地域産業
4 江戸で活躍し、将軍の生活を支えた神奈川の商人、農民、漁民
5 江戸からの観光客で賑わった神奈川の観光地
6 幕末の江戸と神奈川
鎌倉時代から400年以上、関東の武家政治の中心だった神奈川は、江戸時代になると、百万都市・江戸の巨大な消費を支える経済・物流・観光の拠点となった。
東海道の宿駅制度の整備、脇往還の充実、相模川を中心とした水運や神奈川湊、浦賀湊の海運など、地域の農産物から海の幸、さらに関西の物産まで、水陸のあらゆるものが現在の神奈川県域を経て江戸にやってきたのである。
交通網の整備は、人材の交流もさかんにした。江戸に大店を構える商人、大名屋敷の奥奉公に出る名主の娘、水産物上納や鷹狩りなどで将軍家に貢献する者もあった。
さらに海や山に風光明媚な名所が多い神奈川は、江戸庶民の格好の旅行先になった。鎌倉、江の島、川崎大師に大山詣りと箱根七湯……。
本書は、徳川家康の江戸入城から幕府の消滅までの歴史をたどりながら、「相模・武蔵(の一部)」と呼ばれた神奈川県域の経済的な隆盛が、世界でもまれな巨大都市を支えてきた実情を明らかにする。