- 超セラミックス
-
- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2025年12月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784320044906
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 模範六法 令和8年版
-
価格:7,260円(本体6,600円+税)
【2025年11月発売】
- 年表で攻略!日本史探究
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2025年06月発売】
- AZー104:Microsoft Azure Administrator
-
価格:3,520円(本体3,200円+税)
【2024年06月発売】
- 答えのない時代を生きるために、哲学が教えてくれること
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2025年07月発売】
- 「人新世」の惑星政治学
-
価格:2,860円(本体2,600円+税)
【2023年06月発売】



























[BOOKデータベースより]
第1章 超セラミックスの基本コンセプト(セラミックスとは;分子を含む無機材料「超セラミックス」;超セラミックスの設計コンセプト:内圏型と外圏型)
[日販商品データベースより]第2章 超セラミックスの合成(分子種を内包した無機材料の合成法;超高圧合成法;プロアニオン合成法)
第3章 内圏型超セラミックスの物性と機能(分子イオンの「向き」によるバンドギャップ変化;カルボジイミド蛍光体;非球状分子アニオンを用いた有機−無機ハイブリッドペロブスカイトの構造秩序制御;キラル分子カチオンによって誘起される有機−無機ハイブリッドペロブスカイトの新物性;ファンデルワールス力に基づく柔軟な有機−無機ハイブリッド材料の創出;化学的・物理的刺激に応答する分子イオン含有柔軟結晶;置換基の位置に依存した配位高分子の結晶構造、バンドギャップ、および光伝導性;脱離容易な分子イオン種が生み出す配位高分子の可逆的な色変化;分子性コンポーネントの取り込みによるセラミックスの融点降下;二酸化炭素変換反応への応用:金属カチオンと分子アニオンの協働による活性点構築;二次電池正極材料への応用)
第4章 外圏型超セラミックスの物性と機能(固‐液相転移を活用したCP/MOFガラスの機能化;無機結晶表面に形成されたMOF薄膜と応用;TiO2ナノ粒子を用いた分子光触媒の集積とCO2還元への応用;層状酸窒化物K2LaTa2O6Nの層間修飾による高効率水素生成光触媒の構築;ハイブリッド型ペロブスカイト太陽電池の表面不動態化;POM/MOF融合型超セラミックスによるセシウムイオン吸着)
この10年の間に進展した新たな材料開発や計測技術により、従来の無機材料(セラミックス)に対する「硬い」「脆い」「均質である」といった常識は、徐々に見直されつつある。たとえば、分子アニオンを含有する無機結晶が示す優れた二次電池特性や、分子と無機固体との融合によって発現する革新的な触媒機能・電子物性等は、従来のセラミックスでは達成できなかった全く新しい機能の可能性を示している。
こうした背景を踏まえ、本書では著者らが提唱する新しい材料概念「超セラミックス(Supra-ceramics)」を紹介する。これは、分子ユニットを含む無機材料を、単なる複合体ではなく、機能設計の核として再解釈しようとする試みである。
本書はまず、「一般的なセラミックスとは何か?」という基本からスタートし、そこから超セラミックスの考え方へと展開していく。特に焦点となるのは、分子ユニットのもつ「異方性」、「解離性」、「軟らかさ」といった特性が、無機材料にどのような構造的・電子的変化をもたらすのかという点である。本書では、これらの特性を、超セラミックスにおける「物性・機能創出のコンセプト」として位置づけ、体系的に整理している。さらに実際の研究例を通じて、超セラミックスのタイプ別にどのような物性や機能が実現されるのかを具体的に紹介する。それらの事例は、単なる個別技術ではなく、根底にある共通の設計思想から理解できるものであり、研究開発や応用展開にも役立つ視点が得られる内容となっている。
化学や材料科学を専攻する大学生・大学院生はもちろん、新規機能材料の設計や応用に携わる研究者・技術者にとっても、有機・無機の境界を越えたセラミックスの最前線を知る手がかりとなる一冊である。