[BOOKデータベースより]
第1章 母性看護学の特徴(母性看護学の考え方;母性看護学におけるセルフケアに関する理論)
第2章 看護過程の考え方(看護過程とは何か、そしてその展開とは;母性看護学における看護過程;「対象者の基本情報」が必要な理由と看護過程への活かし方)
第3章 看護過程の展開(妊娠期の看護過程;分娩期の看護過程;産褥期の看護過程;新生児期の看護過程)
付録
母性看護学実習で必要となる知識や,学生がよく受け持つ事例を厳選し,コンパクトにまとめた好評書.ウェルネス志向型でのアセスメント,関連図,看護計画の立案,評価といった看護過程の一連を解説し,具体的なケアの解説では根拠を併記.どのように看護過程を展開していくかを理解できる内容となっている.改訂にあたり,無痛分娩の事例を追加したほか,全体をアップデートした.実習で困った学生の強い味方になる一冊.
【改訂第2版の序文】
母性看護学領域の対象である女性とその家族を取り巻く環境は,近年大きく変化しています.とくに少子化の影響により,学生が母性看護学実習で受け持てる対象者の数は減少し,それにともなって学習の機会も減少してきています.そのため,限られた実習の中で,より一層効果的な学びが求められる状況にあります.しかし筆者は,日々学生の実習をサポートする中で,いくつかの課題を実感しています.
第一の課題は,母性看護学実習では通常,母児を1ユニットとして受け持ちますが,受け持ちの開始から終了までの間に対象者の状態が大きく変化する点です.学生はその変化に対応して,適時に情報収集・的確なアセスメント・看護過程の展開を行う必要があります.
第二の課題は,受け持ち実習であっても,学生が実際にケアや指導を行う場面が減少しつつあることです.結果として,情報収集・アセスメント・ケア計画の立案といった,記録上での看護過程の展開が中心となる傾向があります.母性看護学では,主に健康な妊産婦と新生児およびその家族が対象となるため,対象者の強みを活かす「ウェルネス志向型」の支援が求められます.しかし,多くの学生は他領域の看護学で「問題焦点型」の支援を先に学んでおり,ウェルネス志向型への思考の切り替えに苦慮し,看護過程の展開に時間を要しているのが現状です.
第三の課題は,受け持ちの対象が正常分娩後の母児に限らず,ハイリスクの妊産婦や新生児,帝王切開分娩後の母児,母児分離のケースなど多岐にわたっていることです.このように多様な対象に対応するため,短期間での看護過程の実践は非常に困難な状況にあります.
本書は,初版の内容をアップデートするとともに,新たにニーズ調査を実施し,希望の多かった内容を追加しました.具体的には「妊産婦のメンタルヘルス問題とその支援」,「産褥期の心理的変化(産後うつへの移行など)」,「無痛分娩の看護過程(産褥期)」などです.
これらの追加により,第2版はより実践的で,内容も一層充実したものとなりました.本書を活用し,受け入れてくれた対象者に対し期待に応えることや,学生自身が母性看護学に魅力を感じることができる実習にしてもらいたいと願っております.本書を,学生はもちろん,大学や専門学校の教員や実習指導者にも幅広く活用していただければ幸甚です.
2025年5月
中村幸代
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