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高文研 平井美津子
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私たちは性暴力被害者の声を聴いてきたのだろうか?声をあげた性暴力被害者を追いつめるバッシング、性売買の歴史、「慰安婦」問題、沖縄における米兵の性暴力…人間の尊厳を踏みにじる暴力が生み出される構造をえぐり、共感と連帯がもたらす人権尊重の未来への歩みを語る。
第1章 性暴力に遭うのは特別な人じゃない第2章 二〇一九年、女性は怒り、泣き、声をあげた第3章 私たちを取り巻くさまざまな性暴力第4章 子どもへの性暴力第5章 性売買を認めてきた日本社会第6章 「慰安婦」問題―いなかったことにしないために第7章 敗戦直後に「慰安所」を作った日本政府第8章 商品にされる女性たち第9章 沖縄で起きている米兵による性暴力第10章 軍隊内で多発する性暴力第11章 声をあげなければ変わらない
私たちの社会は性暴力被害者の声を聴いてきたのだろうか?被害者が勇気を振り絞って声を上げたとき、「レイプ神話」が浸透している日本社会ではさらに被害者が追いつめられる酷い現実がある。「レイプ神話」とは、性暴力の被害者を非難したり、加害者を擁護したりする誤った信念や偏見のことであり、1970年代のフェミニズム運動の頃から使われている用語である。代表的なレイプ神話は、「女性がはっきりとノーを言わなければ性行為に同意したと取られても仕方がない」「女性が男性の部屋に行ったら、性行為に同意している」「女性が男性に誘われて二人でお酒を飲みに行ったら、性行為に同意している」など。レイプ神話を信じている人は、被害にあった自分を責めたり、自分がされたことを性暴力だと認識しなかったりするため、自分が受けた性暴力被害を訴えない傾向がある。この「レイプ神話」をどの程度受容しているかについての日米の比較研究で、日本人のレイプ神話受容度を測定した結果、レイプ神話を強く信じる3つの傾向──@女性よりも男性A他の世代よりも若い世代(18〜29歳)Bアメリカよりも日本での被験者が多いが示された。また日本人のレイプ神話は──@性犯罪行為を過小評価する心理A暗黙の同意があったので性犯罪ではないと評価する心理の二つのグループに分けられることも明らかになった。この結果は、アメリカでは連邦政府の援助を受ける学校や教育機関に対し、性によるハラスメントやその他の差別から人々を守るための教育プログラムを実施することを義務づけているが、日本にはこのような制度がないため、教育環境の差がこの結果に影響していると考えられる。本書では性暴力の加害者について寛容な日本社会について、近世以来の性売買の歴史、日本軍「慰安婦」制度、沖縄における米兵による性犯罪、圧倒的な「権力勾配」を背景にした教師や政治家による性暴力の事例をもとに、被害者が声を上げるまでの思いや過程を手繰り寄せながら、性に関する歴史や現在の社会状況を掘り下げて考察している。著者の思いは以下の言葉で結ばれている。「私たちの社会から性暴力がなくなってほしい。性暴力を軽視して、なかったことにする社会であってほしくない。声を上げた人の声を聞き取る社会であってほしい。私のからだは私のもの。そう言える社会を作っていくために。」
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[BOOKデータベースより]
私たちは性暴力被害者の声を聴いてきたのだろうか?声をあげた性暴力被害者を追いつめるバッシング、性売買の歴史、「慰安婦」問題、沖縄における米兵の性暴力…人間の尊厳を踏みにじる暴力が生み出される構造をえぐり、共感と連帯がもたらす人権尊重の未来への歩みを語る。
第1章 性暴力に遭うのは特別な人じゃない
[日販商品データベースより]第2章 二〇一九年、女性は怒り、泣き、声をあげた
第3章 私たちを取り巻くさまざまな性暴力
第4章 子どもへの性暴力
第5章 性売買を認めてきた日本社会
第6章 「慰安婦」問題―いなかったことにしないために
第7章 敗戦直後に「慰安所」を作った日本政府
第8章 商品にされる女性たち
第9章 沖縄で起きている米兵による性暴力
第10章 軍隊内で多発する性暴力
第11章 声をあげなければ変わらない
私たちの社会は性暴力被害者の声を聴いてきたのだろうか?
被害者が勇気を振り絞って声を上げたとき、「レイプ神話」が浸透している日本社会ではさらに被害者が追いつめられる酷い現実がある。
「レイプ神話」とは、性暴力の被害者を非難したり、加害者を擁護したりする誤った信念や偏見のことであり、1970年代のフェミニズム運動の頃から使われている用語である。
代表的なレイプ神話は、「女性がはっきりとノーを言わなければ性行為に同意したと取られても仕方がない」「女性が男性の部屋に行ったら、性行為に同意している」「女性が男性に誘われて二人でお酒を飲みに行ったら、性行為に同意している」など。
レイプ神話を信じている人は、被害にあった自分を責めたり、自分がされたことを性暴力だと認識しなかったりするため、自分が受けた性暴力被害を訴えない傾向がある。
この「レイプ神話」をどの程度受容しているかについての日米の比較研究で、日本人のレイプ神話受容度を測定した結果、レイプ神話を強く信じる3つの傾向──
@女性よりも男性
A他の世代よりも若い世代(18〜29歳)
Bアメリカよりも日本での被験者が多いが示された。
また日本人のレイプ神話は──
@性犯罪行為を過小評価する心理
A暗黙の同意があったので性犯罪ではないと評価する心理の二つのグループに分けられることも明らかになった。
この結果は、アメリカでは連邦政府の援助を受ける学校や教育機関に対し、性によるハラスメントやその他の差別から人々を守るための教育プログラムを実施することを義務づけているが、日本にはこのような制度がないため、教育環境の差がこの結果に影響していると考えられる。
本書では性暴力の加害者について寛容な日本社会について、近世以来の性売買の歴史、日本軍「慰安婦」制度、沖縄における米兵による性犯罪、圧倒的な「権力勾配」を背景にした教師や政治家による性暴力の事例をもとに、被害者が声を上げるまでの思いや過程を手繰り寄せながら、性に関する歴史や現在の社会状況を掘り下げて考察している。
著者の思いは以下の言葉で結ばれている。
「私たちの社会から性暴力がなくなってほしい。性暴力を軽視して、なかったことにする社会であってほしくない。声を上げた人の声を聞き取る社会であってほしい。私のからだは私のもの。そう言える社会を作っていくために。」