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[日販商品データベースより]
本書は筆者の三十五年の集団語研究の間に収集した文献・用例をもとに、旧版『集団語辞典』(二〇〇〇年、東京堂出版)を改訂し、一八九集団から見出し語数を二倍(約一三二〇〇語)、用例数は三倍にして所属集団・意味を記述し、用例を掲載した集団語辞典である。先に出した拙著『集団語の研究 上巻』『集団語の研究 下巻』(東京堂出版)と合わせて三巻約三三〇〇頁になり、これで一応、集団語研究の完成である。
「集団語」とは巻末の概説に書いたように、特定の機能的社会集団(血縁的・地縁的ではない)に特有な、あるいは特徴的な仲間内の通用語のことである。集団語は社会集団の種類に基づいて、反社会的集団の語(たとえばスリや盗人や香具師などの語)・職業的集団の語(業界用語や職場語など)・被拘束集団の語(軍隊や囚人の語)・学生集団の語(若者ことばを含む)・趣味娯楽集団の語(たとえばオタク用語)などを指す。
本書は隠語辞典ではない。集団語には隠語もあれば非隠語もある。集団語の分類の第一基準は隠語かどうかではなく、どういう社会集団に属するかによる。隠語辞典は隠すことが目的で作られた隠語を集めた辞典なので、多くは反社会的集団の語が占め、警察関係者が明治時代から編集、刊行してきた。そういう隠語を隠語辞典から網羅的に並べ掲載したのが木村義之・小出美河子編『隠語大辞典』である。隠語を調べるのにとても重宝な辞典である。
一方、本書は「集団語」の辞典である。集団語は隠すため以外に、業務の効率化のため、会話の娯楽のため、仲間意識の高揚のため、ことば遊びのためなどいろいろな理由からも造られている。そのため集団語の造語法は多種多様でおもしろい。また隠語辞典にはない学生集団の旧制高等学校の学生語、非拘束集団の海軍士官用語、職業的集団の税務署内部の通用語・医療従事者の通用語・相撲隠語・客室乗務員の通用語、趣味娯楽集団の同人誌用語・鉄道オタク用語などさまざまな集団語を本書は掲載している。さらにまた隠語辞典には時代から言えば、古いものが多く、現代の語がほとんど掲載されていないが、本書は主に江戸時代から近年までの用例を掲載した。
本書の特徴は、なんといっても多種多様な集団の語を隠語辞典だけでなく、新聞・雑誌・単行本など文献資料から用例を収集し掲載したことにある。よく使用された語は意識的に用例を数多く挙げておいた。またその語についてどんな言語意識を持っていたのか分かるような用例も掲げた。これらによって、いつ、だれが、どのように使用したかが分かる。そういうわけで本書は言語研究者はいうまでもなく、司法・警察関係者、マスコミ、教育関係者をはじめ、ことばに関心がある方、ことばに関わる方などに重宝な辞典であると確信する。