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[BOOKデータベースより]
第1部 『咲きだす少年群』―満洲・満洲国を超えて中国大陸へ(『咲きだす少年群』のあらすじ;『咲きだす少年群』の成立過程;「大陸に巨歩を印した」とは―この小説のねらい ほか)
[日販商品データベースより]第2部 『日本に来て』―「日本のすばらしさ」を求めて(『日本に来て』のあらまし;なぜ小説でなく童話なのか;日本に戻るわけ ほか)
第3部 『スンガリーの朝』―白系ロシア人との出会い(この作品の概要と特徴;東京を発つ―家庭事情で満洲のハルビンへ;船中で聴くラジオ ほか)
第4部 戦後の石森児童文学における満洲(石森の戦後満洲児童文学三部作;『わかれ道』―日本喪失から満洲追憶を経て「故郷・新生日本」へ;『秋の日』―孤独な少女の満洲懐旧 ほか)
第5部 満洲児童文学の背景としての在満日本人の生活と教育(在満日本人の実態―永住の地ではない満洲;在満日本人教育における「現地適応主義」と「内地延長主義」;『満洲補充読本』の内容と性格 ほか)
《満洲に生きた子どもたちにとっての「故郷」とは――。》
それまで平板であった国語教材にドラマをもたらした文学者・石森延男。ファシズムの時代、満洲児童文学運動のカリスマ的リーダーでもあった彼が作品に盛り込もうとしたメッセージは何であったか。
戦中期の『咲きだす少年群』『日本に来て』『スンガリーの朝』、戦後の『わかれ道』『秋の日』『親子牛』など、満洲に関わる作品群を丹念に考察する評論集。つぶさに観察して描かれた子どもたちの姿や満洲の社会的・教育的背景等をもとに読み解いていく。
* * *
石森の児童文学や教科書教材の面白さとは何だったのだろうか。一口にいえば、そこには人間がいてドラマがあったということではないかと思われる。特に教科書教材は平板で、血の通った人間が出てこなかった。そこに人間のいるドラマのある文学作品を持ち込んだのが石森だったといえよう。筆者の子ども時代の体験とも重なるが、日本のファシズムが最高潮に達した時期に、彼が如何に児童文学において対応していたか、石森のいう(戦時下の)「三部作」を中心に、彼がそこに盛り込もうとしていたメッセージは何であったかを、まず読み解いてみたいと考える。
(「はじめに」より)
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