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鼎書房 八木書店 福井拓也
点
本業は小説・戯曲で俳句は余技?小説家にして劇作家、演出家兼脚色家、“余技”の俳句は玄人はだし。ジャンルを往還する久保田万太郎の活動から考える近代文学の多面性。久保田万太郎の写生文、小説、戯曲、脚色、演出、俳句、句集、さらには芥川龍之介の小説に高浜虚子の俳句。それぞれに固有の背景と表現を読み解くことで、ジャンルの諸相とその交錯する様を明らかにする。
序章 方法と構成について第一章 久保田暮雨「春寒」―デビュー以前の万太郎と写生文第二章 「朝顔」―万太郎と耽美派第三章 連作『お米と十吉』と「暮れがた」―出発期の小説と戯曲第四章 「末枯」―万太郎とノスタルジー第五章 『道芝』―句集と作者第六章 芥川龍之介「蜃気楼」―小説と作者第七章 高浜虚子“神にませばまこと美はし那智の滝”―俳句と作者第八章 「釣堀にて」―万太郎と新劇第九章 泉鏡花「註文帳」と万太郎脚色―万太郎と新派終章 「三の酉」と『流萬抄』―戦後の万太郎と自己表象
本書は、久保田万太郎の文学活動を総体的に捉え、その多様なジャンル間の関係性を明らかにすることを目的としている。久保田はしばしば浅草≠竍下町文学≠フ作家と規定されるが、その枠に収まらない広がりを持つ作家である。彼の作品は小説、戯曲、俳句といったジャンルを横断し、それぞれが相互作用を及ぼしながら発展してきた。 しかし、近代文学史においては専ら小説を中心とした記述が主流であり、彼の創作における相互作用や舞台人としての活動は十分に考察されてこなかった。 また、久保田の自分≠めぐる表現も、近代文学の理念と必ずしも合致しない独特なものであり、それが彼の文学が研究の主流に乗りにくい要因の一つともなっている。たとえば、大正期の文学論争である遊蕩文学撲滅論争≠ナは、彼の作品が色気≠竍衒気≠排したものとして評価される一方で、文学的な統一性や自己の確立を重視する批評家たちからは、芸術的境地の不確実さを指摘されてもいた。 本書は、こうした久保田の創作活動を通じて、ジャンルの歴史的形成や相互作用を解明し、彼の文学の特質を明らかにしようとするものである。作家論とジャンル論を交差させながら、久保田が時代とどのように向き合い、またどのように読まれ、受容されてきたかを探る。そして、それを通じて近代文学研究の枠組みでは掬い取ることが難しかった多様な文学的営みを照射していく。
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価格:935円(本体850円+税)
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又吉直樹
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[BOOKデータベースより]
本業は小説・戯曲で俳句は余技?小説家にして劇作家、演出家兼脚色家、“余技”の俳句は玄人はだし。ジャンルを往還する久保田万太郎の活動から考える近代文学の多面性。久保田万太郎の写生文、小説、戯曲、脚色、演出、俳句、句集、さらには芥川龍之介の小説に高浜虚子の俳句。それぞれに固有の背景と表現を読み解くことで、ジャンルの諸相とその交錯する様を明らかにする。
序章 方法と構成について
[日販商品データベースより]第一章 久保田暮雨「春寒」―デビュー以前の万太郎と写生文
第二章 「朝顔」―万太郎と耽美派
第三章 連作『お米と十吉』と「暮れがた」―出発期の小説と戯曲
第四章 「末枯」―万太郎とノスタルジー
第五章 『道芝』―句集と作者
第六章 芥川龍之介「蜃気楼」―小説と作者
第七章 高浜虚子“神にませばまこと美はし那智の滝”―俳句と作者
第八章 「釣堀にて」―万太郎と新劇
第九章 泉鏡花「註文帳」と万太郎脚色―万太郎と新派
終章 「三の酉」と『流萬抄』―戦後の万太郎と自己表象
本書は、久保田万太郎の文学活動を総体的に捉え、その多様なジャンル間の関係性を明らかにすることを目的としている。久保田はしばしば浅草≠竍下町文学≠フ作家と規定されるが、その枠に収まらない広がりを持つ作家である。彼の作品は小説、戯曲、俳句といったジャンルを横断し、それぞれが相互作用を及ぼしながら発展してきた。
しかし、近代文学史においては専ら小説を中心とした記述が主流であり、彼の創作における相互作用や舞台人としての活動は十分に考察されてこなかった。
また、久保田の自分≠めぐる表現も、近代文学の理念と必ずしも合致しない独特なものであり、それが彼の文学が研究の主流に乗りにくい要因の一つともなっている。たとえば、大正期の文学論争である遊蕩文学撲滅論争≠ナは、彼の作品が色気≠竍衒気≠排したものとして評価される一方で、文学的な統一性や自己の確立を重視する批評家たちからは、芸術的境地の不確実さを指摘されてもいた。
本書は、こうした久保田の創作活動を通じて、ジャンルの歴史的形成や相互作用を解明し、彼の文学の特質を明らかにしようとするものである。作家論とジャンル論を交差させながら、久保田が時代とどのように向き合い、またどのように読まれ、受容されてきたかを探る。そして、それを通じて近代文学研究の枠組みでは掬い取ることが難しかった多様な文学的営みを照射していく。