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[BOOKデータベースより]
ライプニッツの『弁神論』(1710年)は、ヴォルテールやカントによって誤解され、哲学史の中で長らく正当に評価されてこなかった。しかし本書では、『弁神論』が形而上学・認識論・倫理学・神学を統合した体系的な哲学書であり、近代哲学において決定的な役割を果たしたことを明らかにする。また本書は『弁神論』におけるライプニッツの議論を、その同時代の批判や受容史とともに分析する。さらに18世紀フランスにおける「オプティミスム論争」やカント、ヘーゲルからの批判・評価などを取り上げ、ライプニッツ思想の歴史的意義を検証する。本書は、『弁神論』の理論的意義とその影響を読み解き、ライプニッツ研究のみならず、近代思想の展開を理解するための必読の書である。
序章 弁神論―論証しない学知?
[日販商品データベースより]第1部 諸可能世界の最善とは何か?(世界をつくるもの―共可能性、完全性、調和;ライプニッツにおける完全性、調和、そして神による選択―いかなる意味で世界は最善なのか?)
第2部 最善なるものは進歩を排除するか?(永劫回帰に反して―1694‐1696年以前における世界の進歩と精神の至福;世界は進歩するのか?―ライプニッツにおける世界の進展モデル)
第3部 諸精神の王国(精神の本性と特殊性;愛―同一性と表出)
第4部 可能な最善の世界での行為(ライプニッツにおける道徳の地位とその諸原理の起源;無神論者は有徳でありうるか?)
終章 フランスにおけるオプティミスムの運命(1710‐1765年)―あるいは「問題」としての弁神論
ライプニッツの『弁神論』(1710年)は,ヴォルテールやカントによって誤解され,哲学史の中で長らく正当に評価されてこなかった。しかし本書では,『弁神論』が形而上学・認識論・倫理学・神学を統合した体系的な哲学書であり,近代哲学において決定的な役割を果たしたことを明らかにする。
ライプニッツによれば,神は無限の可能世界の中から,最も調和のとれた世界を選択せざるを得なかった,と主張する。しかし「最善」とは単に善が最大化された状態ではなく,多様性と秩序,善と悪,自由と必然が最適に調和する状態を指す。彼の議論は,「数学的な論証」ではなく,「道徳的な論証」(=証明)を通じて最善世界の合理性を示す試みである。本書は,ライプニッツがどのように「最善世界説」を神の自由,倫理,世界の秩序と結びつけたのかを精緻に分析する。
また本書は『弁神論』におけるライプニッツの議論を,その同時代の批判や受容史とともに分析する。ピエール・ベールの懐疑論に対し,ライプニッツが神の知恵と世界の秩序をどのように擁護したのかを詳述し,彼の「弁護的な側面」と「教説的な側面」の区別を明確にする。さらに18世紀フランスにおける「オプティミスム論争」やカント,ヘーゲルからの批判・評価などを取り上げ,ライプニッツ思想の歴史的意義を検証する。
本書は,『弁神論』の理論的意義とその影響を読み解き,ライプニッツ研究のみならず,近代思想の展開を理解するための必読の書である。