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[BOOKデータベースより]
フランス文学を美味しく、そして楽しく読む手引書、フランス文学への新しい扉。
第一章 ポトフとポテ―国民食としての煮込み料理
[日販商品データベースより]第二章 美食文学の誕生と展開
第三章 バルザックの描く食事場面―都会と田舎の美食
第四章 フロベールにみる食べ方の変容とその影響―貴族の食べ方とブルジョワの食べ方
第五章 ゾラの描く庶民の食欲とその深層構造
第六章 アルザス・ロレーヌを越えて広がる地域の魂“シュークルート”
第七章 南仏プロヴァンスの象徴“ブイヤベース”
第八章 新しいブルゴーニュの伝統郷土料理―ブルゴーニュ愛を語るコレット
第九章 チーズ礼讃
第十章 フランス料理にデザートは欠かせない
文学を知らずしてフランスは理解できない
飲食文化を知らずしてもフランスは理解できない
フランス文学を楽しく、そして美味しく読む手引書
フランス文学への新しい扉
「はじめに」より
この著作は端的にいって、フランス文学を楽しく、そして美味しく読む手引き書である。
しかし、ありきたりのフランス文学の紹介ではない。そもそも、わたしにもそんな一般的なフランス文学の楽しみを書くつもりはない。フランスの小説を軸に、フランスの十九世紀の文学作品にひんぱんに登場する食事場面や料理に注目して、それらを料理史的観点を中心に、当時のフランスの飲食文化のなかに位置づけて、文化的に解説しようというのが、本書の趣向である。だから、楽しいだけでなく、美味しいフランス文学となる。いや、そうなってほしいというのが、著者の願いだ。できれば、楽しいと美味しいが相乗効果で、みなさんの興味がさらにフランス文学に引かれれば、これほどうれしいことはない。
大きなテーマは二つである。
一つめは、フランスの飲食文化発展の大きなばねとなった、多様な料理をいちどきに出したいわゆるフランス式サービスから、現在のように料理を一品一品出すロシア式サービスへの転換というテーマである。この転換は十九世紀のあいだに徐々に起こり、広く浸透していく。これを文学作品がどう描いたか。
二つめは、十四、五世紀から地方料理を統合してきたフランスの美食文化において、文学作品がいかに地方料理を描き、そこに積極的なイメージと価値、つまり社会的表象を付与してきたかというテーマである。
これら二つのテーマを、具体的な作品の検討をとおして明らかにしていきたい。
文学作品の飲食の場面を分析するということは、当時の飲食文化をそこに探るということにほかならない。したがって、この著作は、楽しく美味しいだけでなく、文学研究を文化の研究へとつなぐ著作である。つまり、文学を包含する文化学研究の著作でもあるのだ。
そして、そのような多少とも学問的な野心をもった著作が、みなさんに楽しく美味しく読んでもらえたら、著者としては望外の幸せである。