- 能火野人、佐藤春夫
-
「のうかやじん」は「くまのびと」の謂いなり
近代文学研究叢刊 77
- 価格
- 5,500円(本体5,000円+税)
- 発行年月
- 2025年01月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784757611085
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[BOOKデータベースより]
「能火野人」とは、佐藤春夫晩年の号であり、土地の歴史や文化に根差した「熊野人」を強く意識した号である。熊野の地で培った春夫の“反骨精神”の原点は、中学時代の三年次の落第、最終学年の講演会飛び入り演説での波紋、さらに中学ストライキに至る経過他にも窺えるが、その春夫が当時最先端の「自然主義文学」に共鳴し文学者として自立してゆく過程を追う。また上京後の「大逆事件」の衝撃、それは父豊太郎をも巻き込んで、その後の父子関係をも束縛してゆくことを指摘。父親の春夫に与えた影響の大きさ、懸泉堂の人脈への気づきの重要さと、多くの人達との交流が、春夫の“視界”をさらに押し拡げ、批評精神を醸成してゆく。昭和初期の文化状況は、“春夫文学”の純粋性の担保を揺るがすものになってゆき、春夫も危機感を募らせてゆく。
〔通史〕佐藤春夫、“反骨精神”の誕生―その少年時代、上京まで(春夫の誕生と父と母との系譜;春夫の小学校時代から中学校へ;“反骨少年”の誕生;新宮中学最終年の“反骨”)
[日販商品データベースより]〔論考〕(佐藤春夫、新発見の『改造』関係原稿群にみる昭和初期の文学的展開―附、富ノ澤麟太郎の悲劇;父と子、“確執”から“和解”へのみちのり―佐藤春夫と父豊太郎にとっての“強権”;佐藤春夫における短編「砧」の問題―熊野および春夫父子の“大塩事件”と“大逆事件”とをつなぐ心性)
「能火野人」とは、春夫晩年の号であり、土地の歴史や文化に根差した「熊野人」を意識した号である。春夫が熊野の地で培った〈反骨精神〉の原点を辿り、当時最先端の自然主義文学に共鳴し文学者として自立してゆく過程を追う。また上京後の大逆事件の衝撃は父豊太郎を巻き込み、父子関係をも束縛してゆく。父親の春夫に与えた影響、懸泉堂の人脈への気づき、多くの人達との交流が、春夫の〈視界〉を拡げ、批評精神を醸成してゆく。