[BOOKデータベースより]
序章 「さがしもの(探し物)」と「モノ探し行動」
第1章 モノ探しの具体的行為
第2章 モノ探しの呪術的方法
第3章 進行過程としてみるモノ探し行動
第4章 モノ探しにおける状況要因
第5章 モノ探し行動の「効率」
終章 心理学的課題としてのモノ探し行動
本書は7章で構成されている。各章の概要を述べて各位の参考に供したい。
[序章:「さがしもの(探し物)」と「モノ探し行動」] 「さがしもの」という言葉には「探す」行為とその対象物という二重の意味があるが「探す行為」に焦点を当てるために「モノ探し行動」という用語を使う。この行動の一部分を警視庁や内閣府の調査資料で把握した。
[第1章:モノ探しの具体的行為]インターネットを検索し“探し物の具体的方法を列挙している10サイト”から69項目を収集し、そのうちの「行為の実施・遂行」に関する51項目を@失くした物を発見できそうな場所(=探索地点)に接近する行為、A探索地点内での所作、B探索を終える行為、に3分類し、@で「接近方略モデル」、Aで「探索地点内行為モデル」を作成した。さらに、モノ探しの全体的特徴は「探索地点(Space)が広い〜狭い」と「探索時間(Time)が長い〜短い」という2次元で表されるとして、組み合わせた「ST2次元空間モデル」を提示した。また、モノ探しの規模はST2次元空間のサイズで把握されると考え、その大から小への連続的な積み重ねで出来る4角錐を「STピラミッド型モデル」と呼んだ。
[第2章:モノ探しの呪術的方法]インターネットで「探し物を見つける方法」にある30サイトから41種類の「占い」と「まじない」の手法を収集した。それらの具体的所作を、「言葉の使用×道具・用具の使用」の2次元分類で見ると「道具・用具を使わない」手法では「言葉を使う」ものが多いことが分かった。
[第3章:進行過程としてみるモノ探し行動] 第1章をふまえて二つの視点から論述した:(A)「探し物の意欲の喚起・保持」に関する18項目を加えた69項目の具体的行為を4段階(問題認識⇒開始⇒探索⇒終了)のなかに位置づけた。(B)モノ探しの進行とともに「探索区域の縮小」と「探索時間の短縮」が同時に進むのでSTピラミッドの歪み(=傾き)が生じる。第3視点として(C)問題解決過程と捉えその4段階(問題認識⇒探索意思決定⇒探索⇒終了)に各行為を位置づけ、行為構成の違いによるモノ探しの4パタン(慎重型、簡略型、試行錯誤型、衝動型)を仮設した。さらに以上の各章での考察からモノ探し行動を俯瞰する“暫定モデル”を提案した。
[第4章:モノ探しにおける状況要因]「状況」概念と「状況要因」の構成内容を考察した。また、モノ探し行動の外部要因である「生活状況」と内部要因である「探索状況」の諸側面を検討し、両者の関連が“探し手の認知”により成立することを述べた。
[第5章:モノ探し行動の「効率」]コスト・パフォーマンスの枠組みで考察するとき、両要素はともに多様で異質的であるため、共通尺度を構成する心理学的視点の必要性を強調した。
[終章:心理学的課題としてのモノ探し行動]モノ探し行動の全体像を描く“包括的モデル”を提示した。さらに著者自身の消費者行動研究の経験をふまえ、モノ探しを含む日常的生活行動の機能分析を試み、この領域での研究的関心の高まりへの期待を述べた。
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