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アメリカ例外主義の展開とその方向性
彩流社 江頭理江 竹内勝徳 前田譲治
点
終末的世界の解読に向けて―。論攷(14本)では作家たちの終末論的想像力やアメリカ例外主義への批判について幅広く考察する。それらは互いに共鳴する世界中に広まった終末論や例外主義の論理の読解に寄与する。「終末的現代」を生きるわれわれが危機感を共有し、危機の「本質」とは何かを読み取る最適の書である。
特別寄稿 アメリカ大統領と終末論的想像力(巽孝之)第一部(「風景」とマニフェスト・デスティニー―エマソン・超絶主義・領土拡張の欲動について(成田雅彦);私たちはどう生きるか―エマソンの「自己信頼」におけるヴァルネラビリティの倫理(生田和也);独身女性が書く家事手引書―キャサリン・ビーチャーの『家庭経済論』と『アメリカ女性の家』(秋好礼子);反時代的考察者としてのヘンリー・アダムズ―『ヘンリー・アダムズの教育』を中心に(砂川典子))第二部(絶滅という思想―一九世紀アメリカにおける環境終末論(高橋勤);『大理石の牧神』における絵画と身体―ナサニエル・ホーソーンの終末論的想像力(川下剛);『ハックルベリー・フィンの冒険』とその批評的冒険にみる(非)ヘーゲル的精神の冒険―マーク・トウェインとアメリカの成長拒否と終末論的想像力(吉津京平);『船乗りビリー・バッド(インサイド・ナラティブ)』における黙示録(竹内勝徳)的運命)第三部(ポストアポカリプス的想像力とデモクラシーの「未来」―『オリクスとクレイク』と『沈黙』を中心に(渡邉克昭);彼らの夢は実現したのか―トウェインとフィッツジェラルドに見る夢の迷走(江頭理江);『怒りの葡萄』の終末描写に見るスタインベックのアメリカ像(前田譲治);「丘の上の町」は安住の地か―「魔法の樽」にみるユダヤ性と普遍性(綱智子);「終わり」のない旅―スティーヴン・キングのダークタワーの先に(宮内妃奈))
米文学史は植民地時代を含め、アメリカ例外主義と絡み合い、それに立ち向かってきた。アメリカ例外主義とは、米国は神に選ばれた自由と民主主義を標榜する大洋に挟まれた例外的な近代国家であり、世界の民主化を主導する義務がある、という考え方である。それはプロテスタントの教義によって強化され、国家の根幹をなし、黙示録的な終末を演じることで米国を帝国化してきた。マサチューセッツ植民地の形成から独立戦争、メキシコ戦争、そして南北戦争と世界の終末を思わせるレトリックで政治家や説教師、ジャーナリストらが差し迫った危機を語り、国民の団結を呼びかけてきた。20世紀以降も二つの大戦に、大恐慌、ベトナム戦争、そして9・11の攻撃、イラク戦争など大きな危機に遭遇する度に、民主主義の伝播、善悪の戦い、対テロの戦いなど、多くの言説が用いられ国民を方向づけていた。現代においてこの終末論的想像力は、第三次世界大戦という用語により世界に拡散され、プロバガンダとして大いに利用され、世界的パンデミックの不安と恐怖までもが後押しする形で、国民は将来の見通しを立てることができないような強迫的な寄る辺なさに苛まれることになってしまっている。トランプ政権において露わになることとなったアメリカ例外主義への反発からは、自国優先の政策に舵を切ることを望む人々も多く出てきている。そして、トランプの支持基盤であった極右集団QAnonは、トランプを世界の終末を阻止するためにやって来た救世主として扱っているのである。今を生きる我々が、この事態、現実を、乗り越える手立てを見出すことは容易ではない。本書は、米国が体験してきた不安や恐怖、それらを克服する過程を、作家たちがいかに描いてきたかを読み解き、そうした危機的状況やそれに乗じた終末論的プロパガンダ、それと絡み合うアメリカ例外主義の展開と分裂を視野に入れ、文学作品が、いかなる意義を生成してきたのかを読み取ろうと試みるものである。
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[BOOKデータベースより]
終末的世界の解読に向けて―。論攷(14本)では作家たちの終末論的想像力やアメリカ例外主義への批判について幅広く考察する。それらは互いに共鳴する世界中に広まった終末論や例外主義の論理の読解に寄与する。「終末的現代」を生きるわれわれが危機感を共有し、危機の「本質」とは何かを読み取る最適の書である。
特別寄稿 アメリカ大統領と終末論的想像力(巽孝之)
[日販商品データベースより]第一部(「風景」とマニフェスト・デスティニー―エマソン・超絶主義・領土拡張の欲動について(成田雅彦);私たちはどう生きるか―エマソンの「自己信頼」におけるヴァルネラビリティの倫理(生田和也);独身女性が書く家事手引書―キャサリン・ビーチャーの『家庭経済論』と『アメリカ女性の家』(秋好礼子);反時代的考察者としてのヘンリー・アダムズ―『ヘンリー・アダムズの教育』を中心に(砂川典子))
第二部(絶滅という思想―一九世紀アメリカにおける環境終末論(高橋勤);『大理石の牧神』における絵画と身体―ナサニエル・ホーソーンの終末論的想像力(川下剛);『ハックルベリー・フィンの冒険』とその批評的冒険にみる(非)ヘーゲル的精神の冒険―マーク・トウェインとアメリカの成長拒否と終末論的想像力(吉津京平);『船乗りビリー・バッド(インサイド・ナラティブ)』における黙示録(竹内勝徳)的運命)
第三部(ポストアポカリプス的想像力とデモクラシーの「未来」―『オリクスとクレイク』と『沈黙』を中心に(渡邉克昭);彼らの夢は実現したのか―トウェインとフィッツジェラルドに見る夢の迷走(江頭理江);『怒りの葡萄』の終末描写に見るスタインベックのアメリカ像(前田譲治);「丘の上の町」は安住の地か―「魔法の樽」にみるユダヤ性と普遍性(綱智子);「終わり」のない旅―スティーヴン・キングのダークタワーの先に(宮内妃奈))
米文学史は植民地時代を含め、アメリカ例外主義と絡み合い、それに立ち向かってきた。アメリカ例外主義とは、米国は神に選ばれた自由と民主主義を標榜する大洋に挟まれた例外的な近代国家であり、世界の民主化を主導する義務がある、という考え方である。それはプロテスタントの教義によって強化され、国家の根幹をなし、黙示録的な終末を演じることで米国を帝国化してきた。マサチューセッツ植民地の形成から独立戦争、メキシコ戦争、そして南北戦争と世界の終末を思わせるレトリックで政治家や説教師、ジャーナリストらが差し迫った危機を語り、国民の団結を呼びかけてきた。20世紀以降も二つの大戦に、大恐慌、ベトナム戦争、そして9・11の攻撃、イラク戦争など大きな危機に遭遇する度に、民主主義の伝播、善悪の戦い、対テロの戦いなど、多くの言説が用いられ国民を方向づけていた。現代においてこの終末論的想像力は、第三次世界大戦という用語により世界に拡散され、プロバガンダとして大いに利用され、世界的パンデミックの不安と恐怖までもが後押しする形で、国民は将来の見通しを立てることができないような強迫的な寄る辺なさに苛まれることになってしまっている。トランプ政権において露わになることとなったアメリカ例外主義への反発からは、自国優先の政策に舵を切ることを望む人々も多く出てきている。そして、トランプの支持基盤であった極右集団QAnonは、トランプを世界の終末を阻止するためにやって来た救世主として扱っているのである。今を生きる我々が、この事態、現実を、乗り越える手立てを見出すことは容易ではない。本書は、米国が体験してきた不安や恐怖、それらを克服する過程を、作家たちがいかに描いてきたかを読み解き、そうした危機的状況やそれに乗じた終末論的プロパガンダ、それと絡み合うアメリカ例外主義の展開と分裂を視野に入れ、文学作品が、いかなる意義を生成してきたのかを読み取ろうと試みるものである。