耳ふたつ

句集

ふらんす堂
松永典子　

• 価格: 2,860円（本体2,600円＋税）
• 発行年月: 2024年06月
• 判型: 四六判
• ISBN: 9784781416656

内容情報

[日販商品データベースより]

◆第四句集



冬ぬくきスープカップに耳ふたつ



のんびりと俳句を楽しんでいる場合ではないのであるが、不安なる故に自分事をもっと大事にしなければと、焦る心が芽生えたのも事実だ。

（あとがき）



◆作品紹介

遠野火の深閑と這ふ速さかな

父の手になる折鶴は囀りさう

花束のセロハン光る春の雪

麦の穂や風に聞かせるだけの歌

己が空己で磨く水すまし

自らの歩幅よりなし蝸牛

羅といふひとひらの雲を着る

強き順知つてゐる子の木の実独楽

天かすのさつと広がる時雨空

木がほうと息つくやうに雪しづり