- 無意味なものと不気味なもの
-
- 価格
- 1,012円(本体920円+税)
- 発行年月
- 2024年05月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784122075146
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[BOOKデータベースより]
あれはいったい何だったのだろう―私たちの心をざわつかせ、名状しがたい不安感を呼び起こす、過去の体験や不穏な記憶。作家・精神科医である著者が、そうした人間心理の暗部に触れる“無意味で不気味なもの”の正体を、ラヴクラフトや車谷長吉などの小説作品に探る。異色の恐怖文学論に書き下ろしの新章を増補した決定版。
隠蔽された顔―ナサニエル・ホーソーン『牧師の黒のベール』
[日販商品データベースより]本物そっくり―河野多惠子『半所有者』
糞と翼―パトリック・マグラア『長靴の物語』
姿勢と連想―古井由吉『仁摩』
受話器を握る怪物―H.P.ラヴクラフト『ランドルフ・カーターの陳述』
孤独な日々―日影丈吉『旅は道づれ』
南洋の郵便配達夫―J・M・スコット『人魚とビスケット』
描きかけの風景画―藤枝静男『風景小説』
墜落する人―レイ・ブラッドベリ『目かくし運転』
救われたい気持ち―高井有一『夜の音』
果てしない日々―クレイ・レイノルズ『消えた娘』
世界の構造―富岡多惠子『遠い空』
グロテスク考―カースン・マッカラーズ『黄金の眼に映るもの』
うふふ。―車谷長吉『忌中』
昆虫的―内田百〓『殺生』+ブルーノ・シュルツ『父の最後の逃亡』
文庫版ボーナストラック 入り込んでくる人―庄野潤三『黒い牧師』
「あれはいったい何だったのだろう――?」
過去の人生において遭遇した、明確な恐怖とは言いがたい、けれど忘れることのできない記憶や小説。
大ヒット作『恐怖の正体』(中公新書)で話題を呼んだ作家・精神科医である著者が、精神の根源に触れるそうした〈恐怖寸前〉の〈無意味で不気味なものたち〉に惹かれて渉猟した、異色の文学エッセイにして読書案内。
刊行以来、ホラーや幻想文学の実作者を中心に、多くの読者から絶賛を得てきた名著に、書き下ろしの新章を増補した新版。
誰もが体験しながら、ふだんの日常においては意識の底に沈められがちな〈あれ〉を求めて……読めばきっと、あなたも語りたくなる。
推薦・澤村伊智
解説・朝宮運河
目次
文庫版のためのまえがき
まえがき
1 隠蔽された顔――N・ホーソーン『牧師の黒のベール』
2 本物そっくり――河野多惠子『半所有者』
3 糞と翼――パトリック・マグラア『長靴の物語』
4 姿勢と連想――古井由吉『仁摩』
5 受話器を握る怪物――H・P・ラヴクラフト『ランドルフ・カーターの陳述』
6 孤独な日々――日影丈吉『旅は道づれ』
7 南洋の郵便配達夫――J・M・スコット『人魚とビスケット』
8 描きかけの風景画――藤枝静男『風景小説』
9 墜落する人――レイ・ブラッドベリ『目かくし運転』
10 救われたい気持ち――高井有一『夜の音』
11 果てしない日々――クレイ・レイノルズ『消えた娘』
12 世界の構造――富岡多惠子『遠い空』
13 グロテスク考――カースン・マッカラーズ『黄金の眼に映るもの』
14 うふふ。――車谷長吉『忌中』
16 昆虫的――内田百閨w殺生』+ブルーノ・シュルツ『父の最後の逃亡』
16 入り込んでくる人――庄野潤三『黒い牧師』
あとがき
解説 朝宮運河
〈本書は、無意味なものと不気味なものにまつわる探求報告であり、「あれはいったい何だったのだろう」という呟きの執拗な反復である。もし読者諸氏にも「あれはいったい何だったのだろう」との文言が病原菌のように感染すれば、著者としては嬉しい。寂しさがまぎれ、この世界に生を営んでいくことの不安を、幾分なりとも忘れさせてくれそうだからである。……〉(「まえがき」より)