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[BOOKデータベースより]
酷薄な現実の中にも、「たくさんの色どり」を見出して―。激動と不安の時代に、リアリズムを描きながらロマンを夢見る詩を綴った詩人・神保光太郎。青春時代から、戦時中の報道班員の時代もあり、山形から京都・東京・埼玉へと活動の拠点を追求し、立体的に創作活動をまとめた研究の書。
第1章 青春時代―山形中学校・山形高等学校の生活
[日販商品データベースより]第2章 詩人としての初期―雑誌『詩と散文』『磁場』『麺麭』
第3章 詩風の転回点―ロマンチスト面とリアリスト面
第4章 短歌時代と報道班員の時代―大正末期から昭和十年代末期まで
第5章 異郷に根をおろす―山形から京都、東京、埼玉へ
第6章 神保光太郎の詩論―「愴しみの克服」を中心に
第7章 子どもをうたう神保光太郎の詩と文章
第8章 神保光太郎から話を聞いた―訪問記の様々
第9章 神保光太郎の書簡
第10章 写真の解説
第11章 神保光太郎年譜
第12章 研究参考文献
<<酷薄な現実の中にも、「たくさんの色どり」を見出して――。>>
激動と不安の時代に、リアリズムを描きながらロマンを夢見る詩を綴った詩人・神保光太郎。
青春時代から、戦時中の報道班員の時代もあり、山形から京都・東京・埼玉へと活動の拠点を追求し、立体的に創作活動をまとめた研究の書。
* * * * *
この本は詩人神保光太郎の生涯について詳しく書いた。もうずいぶん昔のことだが、私は娘を連れて神保邸宅へ行った。
その時、奥様もいて私の娘へお菓子をくださった。娘は「今は食べなくて家へ帰ったら食べるよ。」と言った。
光太郎さんは白髪のおじいさんだったが、大きな声で出身地の山形や、大学時代の京都を話して、ワッハッハと笑った。
そして、今住む浦和の風景を彼は話した。別所沼という池があり、公園もあった。その池のまわりを歩き、公園の木々をあおぎ見たという。こうした神保さんの話を聞いて私は神保宅を出た後、娘と共に、池や公園を見た。すばらしい風景だった。
神保光太郎の生涯は戦争もあって大変だったが浦和に住んだことをうれしく思ったようだ。
(「あとがき」より)