- 地名の原景
-
列島にひびく原始の声
平凡社新書 1041
- 価格
- 1,012円(本体920円+税)
- 発行年月
- 2023年10月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784582860412
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[BOOKデータベースより]
江戸の「エ」と浦安の「ウラ」は、たいていの辞書で意味はほぼ同じだが、ほんとうに、もとからそうなのか?滋賀と志摩の「シ」は、文字は違うが意味は違う?同じ?伊賀・甲賀の「ガ」は、めでたそうな漢字の皮をむくと、どんなもともとの意味を担っているか?地名を形作る言葉のもともとの意味を探り、文字以前の時代の列島の景観と人の営みへとさかのぼる。
1 日本列島の原景語(ノ・ヤマ(野山);ヤマ・カハ(山川);ウミ・ヤマ(海・山);ハラ(原);エ(江)とウラ(浦);シマ(島)とクニ(国);翻訳語アメ・ツチ(天地))
[日販商品データベースより]2 国名以前の地名と国名の生いたち(国名以前の在所名「ガ(カ)」;国々の位置取りの認識;宮処となった「山ト」と「山シロ」;「好字」が消した原景;国名における〈声〉の自立)
3 先史を秘めた奇妙な当て字地名(色浜・色川―イロ;象山・象潟―キサ;犀川―サキ;尼(が)辻・尼(が)崎―アマ;安食―アジキ;桜島―サ・クラ)
結びにかえて―タ(田)の来歴
《目次》
はしがき
1 日本列島の原景語
2 国名以前の地名と国名の生いたち
3 先史を秘めた奇妙な当て字地名
結びにかえて――タ(田)の来歴
《概要》
日本列島の野にも山にも里にも川辺・海辺にも、すべての土地に貼り付いている名前=地名。その一つ一つには、その地の形状や景観、またそこで営まれていた人の暮らしのありようを言いとめようとする声が文字以前の時代から響いていたはずである。あるいは言い換えられ、あるいは文字に書き留められて変容を遂げながら、その基底に今も遺っているその初発の声はどのようなものであったのか、どのような生まれ方をしたのか、本書はその一端を探る試み。
ノ(野)、ヤマ(山)、カハ(川)……、地名にしばしば現れるこれらの言葉の古いつかわれ方を記紀万葉などに探るとき、たとえば滋賀や志賀の「ガ」を「賀」というめでたい漢字の皮をむいてもとの意味を見極めるとき、象山・象潟と列島の人々がついこの間まで見たこともない動物の文字を冠する奇妙な「キサ」の地名が指すものを推理するとき、この列島上ならではという自然環境のどんな原景が、失われた人の営みのどんな光景が、その地名にあらわされているかが見えてくる。
《著者》
木村紀子(きむら のりこ)
1943年生まれ。松山市出身。奈良大学名誉教授。専攻は言語文化論・意味論。著書に、『古層日本語の融合構造』『ヤマトコトバの考古学』『古事記?声語りの記(シルシ)』(以上、平凡社)、『書(ふみ)と声わざ』(清文堂出版)、『「食いもの」の神語り』(角川選書)、『原始日本語のおもかげ』『日本語の深層』(以上、平凡社新書)、校注書に『塵袋』(共校注)、訳注書に『催馬楽』(以上、平凡社東洋文庫)がある。