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- ケアしケアされ、生きていく
-
- 価格
- 946円(本体860円+税)
- 発行年月
- 2023年10月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784480684639
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[BOOKデータベースより]
他人に迷惑をかけていい!弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜け出して、お互いがケアし合う関係になろう。
第1章 ケア?自分には関係ないよ!(「迷惑をかけるな憲法」;しんどいと言えない;自分自身を取り戻す;面倒な中に豊かさがある)
[日販商品データベースより]第2章 ケアって何だろう?(確かに面倒なのだけれど;自分へのケアと他人へのケア;他者へのケアの前に;互いが気にかけあう)
第3章 ケアが奪われている世界(ケアのないわたし;「昭和九八年」的世界;標準化・規格化の「大成功」の陰で;ケアの自己責任化を超えて)
第4章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ(生産性とケア;責任の共有化で楽になる;共に思い合う関係性;ケア中心の社会へ)
ケアは「弱者のための特別な営み」ではない。あなたが今生きているのは赤ん坊の時から膨大な「お世話」=ケアを受けたから。身の回りのそこかしこにケアがある。
他人に迷惑をかけていい!!
ケアは弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜けだして、自分のありのままを大切にするような、お互いがケアしケアされるそんな社会を目指そう!
<著者からひと言>
この本は、ケアから逃げてきた私が、ケアと出会い直すことによって見えてきた世界を、みなさんにも馴染みがある3つの視点から考えてきた本です。
1つめは20歳の大学生の世界です。私は大学生を20年近く定点観測してきました。その上で、今の学生が「他人に迷惑をかけてはいけない憲法」に縛られて、生きづらさを抱えているように思えます。それは一体どういうことなのか、を考えてみました。
2つめは6歳の子どもの世界です。私の娘は今、6歳なのですが、「迷惑をかけまくって」楽しく生きています。安心して迷惑をかけられる環境で、のびのび生きています。でも、ちゃんとしなさい、と叱り続けると、そのうち親や教師を忖度する大学生になるのではないか、と心配しています。
なぜ、のびのびした子どもが、その十数年後には「他人に迷惑をかけてはいけない」と縮こまる大学生になるのか?
その背景を考えるうえで、3つめの世界、「昭和98年的世界」を生きる48歳の私の世界を考えています。昭和が終わって30年以上経っても、日本社会の基本的なOSは昭和時代のままです。理不尽な労働環境でもがまんする、抑圧的環境に「どうせ」「しゃあない」と諦める。それが、女性の管理職や政治家比率が低く、イノベーションが生まれにくい「失われた30年」の背景にあると私は考えています。そして、この世界は「ケアレス」な世界です。
この閉塞感をこえるためには、日本社会がケア中心の社会に変われるか、が問われています。能力主義や男性中心主義の呪縛の外にある世界です。それは、共に思い合う関係性が重視されるし、そのためには自分自身の「唯一無二性」とも出会い直す必要があります。そんなの無理だよ!と理性の悲観主義に陥らず、ではどうやったらケア中心世界は可能なのか、について、できる一つの可能性を模索したのが、本書です。
中高生にも読んでもらえるよう、わかりやすい文体を目指しました。よかったら、読んでモヤモヤしてくださると、嬉しいです。
竹端寛